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詩とそれにまつわるエトセトラ #1~#50

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#COLORまく

#3「赤い花」

教室の窓の外で 強い風に吹かれている赤い花
大きな木の枝に付いたその花の名を
わたしは知りもしないから
あなたのことを たとえば 「赤い花」と呼びましょう

この景色をこの色では もう二度と見ることはないでしょう
大学の4年間が過ぎようとしています
自分にとって 何だったのかと 問いかけても
今は答えの出ない時間
それでも終わりが近付けば
強くなっていくこの気持ちを 何と呼べばよいのでしょう
寂し

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#22「緑の朝」

気が付くと、世界中が緑だった
カレンダーは4月21日 日曜日
わたしは17歳

気が付くと、世界中が緑だった
昨日までの世界が思い出せない
思い出せない
思い出せない
わたしの思い出はどこ?

気が付くと、世界中が緑だった
小鳥が鳴いて
冷たい空気が流れ
美しい新緑の
幸せな朝だった

(1990.4.21)

※【解説編】はこちら

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#25「黄色いフリージア」

黄色いフリージアは幸福の色
あなたの来なくなった部屋に
飾ってみたけれど
寂しさだけが
訪れる 夜

(1995)

※【解説編】はこちら

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#27「ピンクのお花畑」

大好きなピンクが
ベットの上に脱ぎ捨てられてる
ピンクのシャツ
ピンクのキャミソール
ピンクのソックス
何だかとても 穏やかな景色
わたしの脱ぎ捨てた わたしの脱け殻は
とても良い香りを放っている
ピンクのお花畑のよう

(1995)

※【解説編】はこちら

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#28「この時」

夕方の空は ゼリー色
朱色のキャロットゼリーから 青いブルーハワイまでのグラデーション
世界を包む 一瞬の美しさ
この景色に 溶けてしまいたいと思う この時

たとえば13階のビルの屋上で
この世から消えてしまいたいと思う この時

ひどく寂しく
ひどく悲しく
そうして
これ以上のものはないというほどの
幸福を感じる時

痛みは いつも 死と 恐怖と 幸せを
感じさせる 苦しみ

あなたに抱かれる

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#31「Green」

ブラインドの向こうには窓ガラス
窓ガラスの向こうに緑の木々
細く切られた映像が
マグリットの絵のようで
本物の景色なのに
まるで絵の具のような緑

(1995)

※【解説編】はこちら

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#32「カーテンの向こう」

独りぼっちの教室で
春の風が窓から入ってくる
少し汚れた白いカーテンが
ウェディングドレスのように
ひろがった

(1995)

※【解説編】はこちら

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#33「水色のシーツ」

曇り空の日曜日
水色のシーツを洗おう
洗濯機が止まる頃には
きっと晴れるはず

(1995)

※【解説編】はこちら

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#43「夕方の空」

夕方の空
あかーむらさきーあお のグラデーション
きっと明日は晴れる

悲しいことは 忘れましょう

いいじゃない
わたしには明日があるんだし

(1991)

※高校生(30年前?)の時に書いた詩です。

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