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パールモンドールと札幌駅ESTAが同日閉店

当たり前のように存在した店が 閉店する。
なくなるなんて想像もしたこともない空間が消滅する。
なじみだった店が突然閉店したり、毎日のように通っていた空間がなくなってしまう。

そんな喪失感をここ一、二年でなんども味わった。

ここに来てさらに追い打ちをかけるような閉店のニュースが二つ飛び込んできた。

一つは老舗洋菓子店、パールモンドール南6条店の閉店である。



閉店を知ったのはキッドマン北海道探索チャンネルの閉店情報の動画だ。
最初に動画を見たときは耳を疑った。

ちなみに、そのキッドマンがAirG’8月29に放送されたBeMyRadioという番組にゲスト出演していたのを、たまたま耳にして大いに驚いた。当然のことだが、動画と全く同じ声がラジオから流れるのは、なんとも不思議というか、感慨深いものがあった。


自分はパールモンドールで頻繁に買ったり常連客というわけではないが、クリスマスケーキはよくここで購入した。クリスマス特製のバターケーキが本当においしくて、飽きが来ない。知人へのお土産の購入でもよくお世話になったものだ。

閉店3日前に来店すると、昼の12時台でほとんどの賞品が売り切れかけていた。奥の厨房では職人さんが一所懸命作っていたが、売れるペースに供給が全く追いついていなかった。閉店の理由は建物の老朽化と諸事情により、54年の歴史に幕を下ろすことになる。鮮度が命という方針で、保存料を一切使わないため、安心して食べることができる貴重な存在であった。この地域の光景として切り離すことができない、存在することが自明の店としてどっしりと鎮座していた店が閉店するなんて!
街の風景には寿命があることをつくづく痛感。

パールモンドールが南円山に存在したことに感謝!

そしてう一つは札幌駅のESTAの閉店だ。ESTA閉店はかなり前から告知されていたが、いざ閉店が近づくと、がやってくると、胸が塞がるような気持ちや喪失感は計り知れないものがある。




地下一階の大食品街は本当に良く利用させてもらった。
大学の通学路で西口のPASEOをメインに利用していたが、時折東口まで脚を伸ばしてカフェに行ったり、食事をしたものだ。買うものを物色するために何度も通路を往復した。札幌駅北口のとあるオフィスに通っていたときは、ランチタイムに毎日のようにESTAの大食品街に通ったものだ。ただ、添加物の多い弁当や惣菜も少なくないので、利用する店は限られていた。ESTAで買った弁当やパンを札幌駅構内のベンチで食すというのが昼のルーチンであった。午後からの仕事を思うと憂鬱な気持ちになったが、今となっては、そんな負の感情さえも思い出として心に残っている。スタンプカードが貯まって、2500円分の商品券の懸賞に当選したこともある。

閉店の前日。8月30日に実に久しぶりに、ようやくESTAにやってきた。自分にとってはこれが最後のESTAとなる。多くの人でごった返していた。



ESTAを行き交う人の数だけ、思い出が心に残っているのだ。
特別な日、別れ、出会い、孤独、陰鬱な気持ち、天にも昇るような気持ち・・・悲喜こもごもの感情を抱く、星の数ほどの人をこの空間は受け入れてきたのだ。


PASEOの閉店のときにも感じたが、ESTAがなくなる日が来るとは、誰が想像しただろうか?北海道新幹線の札幌延長はPASEOやESTAの閉店を遙かに上回るほどの大きな幸福を、道民と利用者にもたらす義務がある。

ESTAの閉店は新しい札幌駅リニューアルへの新しいステップとなる。はたしてどんな札幌駅になるのだろうか?

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