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文字のラジオ20201204後編29年見てきたプロレスをだらだら語る カフェラテを飲みながら

はい、どうも。というわけで後半戦。

前回の質問でプロレスの質問されてたんですけど尺の都合で先延ばしにしてたんで、ここで一気に書いていきたいと思います。

カウンティさんのコーヒーはなくなっちゃったんで、適当にカフェラテとか作って飲んでます。新しく入荷したイディド・トゥリセ・エチオピアのナチュラルでエスプレッソ落としてひとつはそのまま、もうひとつはラテって感じです。

プロレス興味ない方は退屈だと思うんでコーヒーでも飲みながら呼んでください。はい、乾杯。うぇーす。

っていつもひろゆきさんがやるんで真似してみました。ではさっそく本題に。

Q. いつも見てます!憧れていた週刊ゴングを蹴ってコーヒーを選んだ過程のところ聞きたいです。

A. これはたしか1回目の文字のラジオで書いたんですけど正しくは採用が決まったわけではなかったんですよね。小学校の頃から愛読してた週刊ゴングっていう今はなきプロレス雑誌のスタッフ募集に応募したら自己PRという一次選考を通過して、GK金沢っていう目標としてた編集長から電話がかかってきたっていう。たぶん即断してすぐに面接受けに東京行ってたら採用してもらえたとは思うんですけど僕も当時働いていたチェーンのコーヒーショップの店長にならないかっていう打診を受けたタイミングでもあって天秤にかけたんですよね。

で、結局当時の生活を捨てられなくて断ろうと思って断りの電話を入れたらGK金沢さんがもう辞めてたっていう。まあ行かなくて良かったとは思いますけどね。そのあとすぐゴングは休刊になって今もほぼ活動してないので。

だからコーヒーを選んだっていう感覚はあまりなくて、当時の生活を優先したって感じなんですよね。はい、そんな感じです。

Q. 最近の新日本プロレスについて語ってください。

A. はい、来ましたね。今日はまあほぼほぼこの話をするために後編に引っ張ったのでたくさん語らせていただきますね。

まずは僕は1981年生まれで92年ぐらいからプロレスを見てるんですけど、90年代っていろんな文化のピークみたいな時代だと僕は思ってて音楽も小室ファミリーやB’zなんかを筆頭にほぼ毎週ミリオンヒットが出てたみたいな時代だし、テレビドラマも東京ラブストーリーから始まってロングバケーションなどのメガヒットドラマもあったり、お笑いはダウンタウンが全盛でしたし、未だにこの頃生まれた名作、名盤を超えられるのって難しいんじゃないかなあって勝手に思ってるんですよね。

プロレス界も猪木馬場が一線を退いたあと、鶴籐長天(かくとうちょうてん鶴田藤波長州天龍)のピークを過ぎ、少し停滞していたところで登場した闘魂三銃士(武藤蝶野橋本)、四天王(三沢川田田上小橋)が世代交代に向かってぶつかっていくっていう最高の時代でした。

僕はやっぱり派手でかっこいい人が好きなので武藤敬司と小橋健太っていうオレンジのパンツを穿いてムーンサルトプレスをするっていう二人にどハマリしましたね。

新日本プロレスはリング内の試合はわりとさっぱりしてるんですけどストーリーラインとかがスリリングで団体同士の対抗戦や、アメリカWCWとの提携などで常に話題を提供していました。

全日本プロレスは反対に、当時鎖国とも揶揄された団体内での抗争、抗争って言ってもマイクで悪口言い合ってっていうのではなくて試合でガンガン熱くぶつかっていくって感じの抗争で、三沢の鶴田超え、川田の先輩三沢への対抗心、小橋が三沢という高い壁にぶつかっていく成長物語みたいな相手に対するリスペクトありきで毎シリーズ淡々と名勝負を作り出していく。そんな感じでした。

いつしかドラマの新日本、試合の全日本、みたいな見られ方をするようになりました。

新日本は天龍源一郎のWAR、高田延彦のUWFインター、90年代の終わり頃には小川直也率いるUFOとの潰し合いを繰り返し、東京ドームでの興行を連発して観客動員数で業界のトップに君臨します。

一方の全日本は四天王に秋山準を加えた五強となってさらに厚みを増し、名勝負を連発。あくまでビッグマッチは日本武道館で行うことで聖地化し、四天王プロレスとして戦いはより過激で危険な方向にエスカレートしていき、彼らの試合は神格化されるようになりました。

99年にジャイアント馬場さんの死去により全日本プロレスは内部分裂し、三沢光晴を中心に殆どの選手がプロレスリングノアに移籍したことでひとつの時代が終焉。その後全日本プロレスは禁断とも言える新日本との対抗戦に打って出ることになる。

新日本は猪木率いるUFOとの戦いのあと、オーナーである猪木の意向に逆らえず当時ブームになっていた格闘技路線に舵を切ったことで純粋なプロレスを愛する選手が反発。あろうことかエースである武藤敬司がライバル団体の全日本プロレスに移籍して社長に就任してしまったり、現場監督だった長州力も退団し新団体WJ(あっ!)を旗揚げするなど混迷を極めて求心力をなくし、プロレスは暗黒期に突入しました。

さあ前置きが長くなりましたが、質問の答えはここから。

長い暗黒期を第3世代や棚橋弘至、中邑真輔らの奮闘でどうにか乗り切り2011年、オカダ・カズチカの登場でムードが一変。一気に勢いを取り戻し、今やビッグマッチのチケットは即完売。恒例だった新春1.4(イッテンヨン)の東京ドーム大会は2日連続の開催となり、隆盛を極めている。巷ではプロレスブームなどと言われたりしていたが、実際には新日本プロレスブームだと言っても過言ではないだろう。

そのぐらい他団体との差は大きいし、海外に目を向けても今や新日本プロレスはWWEに次ぐ第二のプロレス団体にまで上り詰めた。

で、なんか週刊ゴングのライターみたいな語り口調になったんですけど、僕としては今の新日本プロレスにはいくつかの不安要素があります。

まずはオカダ・カズチカを強く設定しすぎたこと。

オカダは間違いなく今世紀最高のレスラーだと思います。彼の持つスター性や恵まれた体格、身体能力、試合運びどれをとっても一級品で、アントニオ猪木やジャイアント馬場に負けずとも劣らない逸材です。

それ故に彼を負けさせるのが難しいんです。いまオカダに勝っても不自然じゃないのは内藤哲也と棚橋弘至、あとジェイホワイトぐらいでしょうか。こうなるとオカダがチャンピオンになったとき王座交代が非常に難しい。だから自ずと長期政権になるんですけどそうなるとマンネリ化して飽きちゃう。オカダもういいよってなっちゃうんですよ。棚橋も一時期そんな感じでしたけど棚橋は体が小さいのでわりと大きい相手には負けても不自然じゃないんですよね。

今って情報がたくさんあるからいろんな角度から選手を応援するんですよね。たとえばtwitterで面白いからとか、配信で全試合見れたりするので前座やミッドカードでいい選手いたら応援するとか、海外の試合で見てた人が新日本に参戦するとか。

昔はテレビで毎回ぐらい猪木がメイン張っててプロレス雑誌の表紙も猪木で、ほとんどの人が猪木にあこがれていたんですよね。テレビに出ないと魅力なんて伝わらない時代ですからね。

で、現代の多面化したファン層を納得させるために新日本が何をしたのかと言うとタイトルを量産したんですよ。

新日本プロレスにはIWGPヘビー級選手権っていうのが最高峰に君臨していて、それに次いでIWGPインターコンチネンタル選手権(これ大陸間っていう意味なんですけどまず意味不明です)がありますけどこれは今IWGPヘビーと統一されてるので二冠王座とか統一王座とか言われてます。この2つをトップ級のレスラーが争って、それに届かない人はIWGP・USヘビーっていうこれまた意味不明なベルトとかNEVER無差別級っていう若手とか次世代のために作られたはずだけどこないだまで50歳の鈴木みのる巻いてたりしたベルトを狙います。更に謎のブリティッシュヘビーなんてベルトもあってドームで行われる試合はタッグやジュニアヘビー級の軽量級のベルトや6人タッグなんかも加わって殆どの試合がタイトルマッチなんてことになったりします。

タイトルマッチの権威って何ですか?っていう。

順番待ちしてたらいつかはどれかのベルトに挑戦できるっていう誰にでもチャンスが巡ってくるいい時代ですよね、皮肉を込めて言うなら。

で、G1クライマックスが終わったら今度は1.4のメインでIWGPに挑戦できる権利証を賭けた防衛戦まであるからもう収集つかないですよね。

で、オカダが負けづらいっていう話に戻るんですけどIWGPを獲るのもオカダの存在があるので変な人にタイトル取らせられないので、防衛戦はいろんな人とやっても多分移動しないだろうなっていう目で見られてしまう。だからサルマン・ハシミコフがいきなりベイダーに勝ってチャンピオンになったりすることは起こらないんですよ。そういうサプライズがあるから目を離せないんだと思いますけどね、僕は。

だからわりと現実的に簡単なのはWWEみたいに2番組制にしちゃうのが早いんじゃないですかね。どうせいろいろWWEのアイデアパクってるんだからそうすればタイトルも二番組で分割しちゃえばちょうどいいしビッグマッチだけ全員揃うみたいな感じにしたら興行も二手に別れられるし売上も2倍になると思うんですけどね。んでたまにドラフトとかやったら飽きないし。まあ完全にWWEのパクリですけど。

あとは試合が過激になりすぎだし試合時間が長すぎですよね。テレビの放送が30分しかないのに一試合で45分とかやられたらどうにもなんないですよ。まあ今は配信がメインだろうからテレビはあまり重視してないんでしょうけど。

危険な技も多いので本当に気をつけないと死人が出ますよ。先述の四天王プロレスを例に出すと三沢さんは試合中の事故で亡くなってますし、川田は早期リタイア、小橋も全身ボロボロですし、田上はまあアレですけど。

別にプロレスの試合って派手な技や危険な技をやらなくても盛り上がりの最高潮でその選手のフィニッシュムーブが出ればわーっと盛り上がって満足するんですよ。

最近の試合はカーンってゴングがなったらロックアップとかグラウンドの攻防とかなくてロープワークやって張り手とかチョップの打ち合いとかやって場外で危ない技やってリングに戻って得意技の交換して最後の手前で張り手とか打撃の打ち合いで死力を尽くしてます感出してフィニッシュムーブの読み合いからどっちかがフィニッシュムーブ出して終わり。ビッグマッチなら何回か粘って、みたいな感じで。途中のあっぶない攻防いる?みたいな。

そういうのも三銃士、四天王から進化してきて現在に至るなんでしょうけど、ちょっと見ててしんどいんですよね。お腹いっぱいになっちゃうっていうか。ながら見しちゃうんですよね。

あと最後に全試合終了後のマイクパフォーマンス。あれは無理にやんないでいいですよね。内藤とか棚橋とかうまいこと締められる人はいいんですけど。オカダなんかは試合が素晴らしいんだからいい試合見せてガッツポーズして帰ればいいのに、変に喋るからいい人感が出ちゃうんですよね。EVILとかも悪魔的なキャラなら喋んないほうがいいですよ。そもそも名前がEVILで必殺技もEVILなのなんなのっていう問題もあり(笑)

今の新日本の人気はドラゴンゲートをモデルケースに作ったものだと思うのでイケメン路線とかマイクで決め台詞言ってとかしてるんだと思います。だから試合もわかりやすくロープワークと大技で構成されてて女性や子供でもハマっちゃうっていう感じなんでしょうけどね。目の肥えたプロレスファンは、とか言ってるアホなライター気取りのプロレスオタクのことなど考えてたら業界は伸びないですからね。マニアが業界を潰すって言葉もありますし。

ちょっと長くなりすぎました。どんだけ喋るんだっていう(笑)

まあたくさん苦言めいたことを言いましたけど、新日本プロレスにはまだまだ伸びしろあると思うので、もっと楽しませてくれることを期待しています。

個人的にはYOSHI-HASHIとかマスター・ワトみたいな地味でどうあがいてもたぶんトップ取れないだろうなっていう選手がたまにジャイアントキリングしちゃうのが好きなのでちょいちょいそういうチャンスを上げてくれたらなと思います。

はい、終わります。長々と失礼いたしました。また来週。

あ、サムネは伝説の名勝負1995年10月9日の武藤敬司対高田延彦戦をファイアープロレスリングで再現してみました。あしからず。


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