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3年記念バッチ


日記って大事ですね。
久しぶりにNoteを開いたら3年記念のバッチをいただきました。
が、3年ぶりに開いたということです。

恐怖。。

この前始めたばかりなのに3年経ってたなんて、三日坊主よりも酷い。
まあそんなこんなで2020年4月ぶりなのですが、この3年いろいろありました。

最近、数年前に書いた日記が出てきたので、ここに記しておこうと思います。

#まことにっき

「月曜日のランチ」

月曜日の昼下がり、イベントの打ち合わせ後に十数年程通っている恵比寿のカフェへ。
メニューを覗きオーダーした後ソファに腰を掛けた。

僕の向かい側、目の前ではランチ休憩中のスーツ姿のOL女子4人組が、何やら真剣に話し込んでいる。

職場にいる、”とある女子“の話。
その子への不満を漏らしていて、4人とも何やら気に食わない様子だ。

どうやらその話題の中のその子は前歯が無いらしく、みんなから"歯ナシ"と呼ばれている。
社内でも「あの人さ、歯無いよね?」と歯ナシの話題で持ちきりだ。

距離も目の前で近い上に若者女子4人の声となれば、聞こうとしなくても勝手に耳に入ってくる。
そのとき僕は丁度、オーダーしていたジェノベーゼを "さあ食べるぞ" のとこだった。

ところがかなりの近距離で
「歯ナシ」「アイツは歯がねぇ」「笑ったら最後だな」などと、4人とも謎の怒りの感情をあらわにし、会議で熱弁するかのように "歯ナシ" というワードを何度もぶつけてくる。

僕にはそのワードがトマホークを喰らったかのように腹をえぐられ、美味しいジェノベーゼを今にも口から噴射しそうな勢いだ。

僕は我慢しながらゆっくりとジェノベーゼを口に運びながら、そのOL達の話にそっと耳を傾けた。

どうやらその"歯ナシ"は飲み会で酔っ払った際に、階段からこけて前歯を失ったらしい。
それから日数が結構経っているにも関わらず、なぜ前歯を治さずに平気な顔で会社に出勤しているのか意味がわからない、という会話で盛り上がっている。

僕は笑いを堪えながら、息を殺し、耳を澄まし、せめてその子の名前で呼んでくれ。。
頼むから"歯ナシ"というワードを出さないでくれと願い、再度ゆっくりとジェノベーゼを口に運んだ。

女子1「前歯はさぁ、保険出るじゃん?しかも給料でボーナスも出る会社で何年もいるからお金貯まってるはずなのに、なんで前歯を治さねぇんだよ。(苦笑)」

女子2「本当だよねー。しかも"歯ナシ"この前の飲み会で彼氏の話してて、
"今はもう同棲してるから彼の腕枕じゃないと寝れないのー" とか言ってた。」

女子3「はぁ?マジ?キモイわー」

女子2「あっしもマジキモイと思ったわー。
てかその彼氏もよくそれで一緒いれるよね、彼氏も歯ナシなんじゃねーの?」

女子4「でもアイツそういう男の話上手いよね、"ハナシ"だけにねー。ガッハッハ!(4人)」

僕は我慢出来ず、気付いた時にはもう手遅れだった。
誰が見てもわかる程に大きく肩を揺らし、ジェノベーゼを口の中で休憩させ、うつむいていた。
はたから見たら、犯罪者にも見えなくもないだろう。

今日はランチでジェノベーゼを美味しく食べたかっただけなのに、なんだこの4人の会話のチームワークは。

僕からすれば、誰なのかも知らない子(歯ナシ)の前歯だけをそんなにいじり倒して、挙げ句の果てには彼女達も見たこともない彼氏のことまで "歯ナシ" に仕立て上げたのだ。

僕の心臓の鼓動は高鳴り、素敵なランチどころではなくなっていた。
" 歯ナシ歯ナシってうるさいよ。。歯ナシの顔を想像してまうから早く帰ってくれ " と心の中で念じた。

すると、その念が通じたのか、女子達の"歯ナシ"の会話は終わり、「そろそろ戻ろっか。」とお会計へ。

ばあちゃん、歯って大事なんだね。
今日も東京は青空が広がっています。

うえのぼりまこと #まことにっき

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