「価値がある」とはどういうことか?〜愛着、唯一性、そして価値〜
「意味」や「価値」という言葉を何気なく使っているけれど、実際にそれは何を意味するのだろう。「意味という言葉そのものの意味」を問うこと自体が底が見えない深遠さを抱えているように思えます。
書籍『価値があるとはどういうことか?』を読み進めていると、まず「価値」という言葉を下支えるいくつかの要素にスポットライトがあたります。その一つが「愛着」という言葉。
「価値がある」と述べるとき、そこには価値があると評価する対象への愛着があり、その愛着とは私と対象との間に発生する関係性であり、その関係は唯一性がある(と感じている)。
では「愛着」とは何だろう、という問いが自然と浮かぶわけです。
「愛着」とは「愛」が「着く」ということですが、「着く」というよりは「着いている」と捉えるほうが自然なのかもしれません。ふと気付いたときに自分と対象との間に「つながり」を感じている。
たとえば歩き慣れた道、よく足を運ぶ場所。
回数を重ねてゆくと、その場所が自分の隅々にまで行き渡って自分の一部になっているかのような、どことなく安心したり、心地よさを覚えたり、落ち着く感じがする。
そうした「愛着」が「価値があるということ」を下支えているのだとすれば逆に「価値がある」という言葉の裏側に「どのような愛着が存在するのか」を問うてみる。
もし、そこに愛着がないのだとしたら「価値がある」という表現にどこか虚しさを覚えてしまうのは気のせいでしょうか。
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