野生と空性の近しさ、そして解ける感覚〜健康なものは野性〜
「健康なものは野性です」
白洲正子さんの書籍『たしなみについて』の中に記されていた言葉が印象的でした。
健康なものは野性である。
もしそうだとするならば、自分の野性はどこにあるのだろう。そして、健康であるとはどういうことなのだろう。
ここでの「野性」は、生物が本来的に備えている生物を生物たらしめている性質であって、自然と内から湧き上がってくる何か、なのだと思います。
朝起きて不思議と気分が良い時、あるいは瞑想して頭の中が空っぽになった時。呼吸を止めないようにゆっくりと身体を動かしながら、やわらかさを取り戻してゆく時。何かによって縛られているような感覚が解けてゆく時。
そうした瞬間の共通項は何かと考えてみると、「あれこれと考えていることを手放してゆく」感覚だったり、その結果として「解ける」とか「空っぽ」になるという状態だったりする。
「野性」は「空性」に近いように感じるというのか、本来あるべき場所へと戻してゆく、回帰してゆくような性質のことを指すのではないか、と。
そのように思ったのです。
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