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裏切られて気づくこと。

中山マコトat大阪の自宅書斎です。
ある時、僕の仕事への取り組み方を大きく変えるほどの、
実に大きな事件がありました。

ある日、日本で有数の広告代理店からオファーがありました。
某有名食品会社から発売予定の新製品キャンペーンを
僕にプロデュースして欲しいと言うんです。

僕が手にする予定の企画料、アイディア料は300万円と提示されました。

面白い仕事だし、大好きな企業の仕事だし、得意な食品だし・・・
二つ返事で引き受け、色々とアイディアも膨らませつつ、
打ち合わせに出向きました。

もちろん手にするはずの300万も魅力です。

当時、300万年の利益と言えば、2000万くらいの仕事をやらないと
手に入らないくらいの金額。
色んな意味で、期待に胸高鳴る仕事です。

打ち合わせがスタートするや否や、僕のエンジンは全開。
キャンペーンのアイディア、売り場展開、キャッチコピーなど
思いつくまま、用意した資料を提示しながらバリバリ語りました。

打ち合わせに出ていた広告代理店の面々、
クライアントから参加している数人。
一生懸命メモを取り、積極的に質問もしてきます。

それに答えるため、ますます脳みそをフル回転させる僕。
そこでまたアイディアが積み上がる。
そんな状態です。

へとへとになるほどの充実した時間を過ごし帰宅。

その日語った事を熱いうちにまとめておこうと、
朝までかけて企画書にして、次の打ち合わせの声がかかるのを待ちました。

で、2日後。
広告代理店の営業担当から電話がありました。

その電話で告げられた言葉は・・・
「先日、中山さんから頂いたアイディアや考え方をベースに、
自分達で企画を練ってみました。
これで行けそうなので、中山さんにはここまでと言う事にさせてください。
打ち合わせ参加費として5万円を請求頂ければと思います。」

そう・・・
僕があまりにもサービスしすぎたため、僕のアイディアは全部取られ、
僕は用済みになってしまったんです。

300万円が一瞬で吹っ飛び、5万円に変わった瞬間でした。

もちろん腹は立ちますよ。
殴り込みたいですよ。

でもね・・・
冷静になって考えると、僕も悪い。
いえ、僕こそが悪いんです。

こうなる事もあり得ると、予測しておくべきだったんです。
脇が甘いと言うか、人がいいと言うか・・・

その日からです。
僕が仕事のやり方を大きく変えたのは・・・

要は、こうしたアイディアを要求される仕事や、
コピーを考える仕事の場合、
『先にお金をもらわなければ仕事はスタートしない!』
と決めたんです。

僕は思いついた言葉やアイディアをすぐに口にしてしまう体質です。
そしてそのアイディアや言葉は、多くの場合、
そのまま使えるケースも多いです。
だから下手をすると、以前のケースと同じ、パクられちゃう可能性がある。

これではやって行けません。

だから着手時に全額か、場合によっては半金を必ず頂くようにしました。
それを飲んでくれない相手とは仕事をしないと決めました。

もちろん、最初は怖かったですよ。
「生意気だ!偉そうに!何様だ!」
そう言われ、仕事が来ない恐怖はありました。

ホント、膝が震えるくらいの怖さです。

でもね、これは僕の命綱。
まさに命運を決する判断だったんです。

勇気を振り絞ってやってみた結果、うまく行きました。
ほとんどの・・・
そう、9割くらいの相手はこの条件を飲んでくれました。
そして今があります。

ビジネスと言うのは結局、お金を手に入れてナンボ!
いくら良い仕事をしてもお金に変わらなければそれは仕事ではないし、
ボランティアです。
そして僕たちに、ボランティアを続ける余裕は無い。
だからキチンとした意思表示をしなければいけないんです。

自分の身は自分で守る。
きつくても、しんどくても、自分の身は自分しか守れません。
この意思表示こそが、仕事であり、アウトプットだと思うんです。

僕たちは決断の積み重ねのうちに日々を生きています。
小さかろうと大きかろうと、瞬間瞬間、決断を積み重ねています。
その決断の結果に明日があり、そして未来がある。
一瞬の決断ミスでまさに人生が変わるわけです。

伝えましょう、キチンと。
訴えましょう、心から。

そしてそれを理解してくれる相手とだけ生きていけば良いじゃ無いですか。
自分を大きく変える決断。
逃げてはいけないと思うんですよ。

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