サウナ

 前の記事でも書いたが、とにかく私はサウナが好きだ。初めて入ったのは15年ほど前のことだ。それ以前から私は家に風呂があっても銭湯に通っていた。あの広い感じと水の音が好きだったのだ。

精神的不調からサウナに

 15年前のその時、私はかなり落ち込んでいた。いや、落ち込んでいたと言うのは適当な言葉ではないかもしれない。沈み切っていた。さらに沈み続けていた。勿論、精神的な意味での話だが。いわゆる、鬱状態だったのだろう。その時、ふとサウナに入ってみようか、と思った。汗を最近かいていない。だからこの不調なのではないか、と思ったのだ。

恐る恐るサウナ室に

 恐る恐るサウナ室に入ってみた。勿論、熱い。先客が一人いた。どのくらい入っていればいいのか分からない。壁時計などはなく、見ると、砂時計が置いてあった。5分計と書いてある。とりあえず、その砂時計をひっくり返し、5分入ってみた。汗はタラタラと流れ出る。初めての5分は結構長かった。外に出た。先客はもっと入るようだ。横に水風呂がある。

初めての水風呂

 火照った身体を冷やすのに水風呂は必要だろう。理屈はわかる。水温を見ると、17度と書いてあったがそれがどの程度なのか、分からない。とにかく、入ってみた。体が火照っているので、意外とイケる。そして首筋まで、水に使った時である。「脳の底に直接、水が当たってる!!」勿論、あり得ないが、私はそう感じたのだ。鬱状態でぼんやりしていた脳が覚醒した。

彷徨うサウナの民

 帰宅して、ネットで色々調べてみた。「サウナ」「水風呂」「脳」みたいなワードで色々検索。匿名巨大掲示板に書かれていたこの文字列を私は忘れないだろう。「サウナ一回で抗うつ剤5錠分くらい効果あるよな」医学的に薦めるモノではないが、確かに私の場合、沈み切っていた脳が覚醒したのは事実である。もっといい入り方はないのか、もっといいサウナ施設はないのか。近場のサウナを彷徨う日々を送っているうちに、顔見知りができてくる。「この辺で一番お好きなサウナってどこですか?」と私は訊き、教えてもらう。そしてそこへ行く。そうして辿り着いたのが今の行きつけのサウナである。そこが休みの日は次点でどこへ行く。あの辺りにいるときはどこどこのサウナ、と言うように知識も増えてきた。

サウナブーム

 最近はサウナが流行っているらしいので、この手の情報も得やすくなった。現在位置から検索できるサイトもある。タカナカツキさんの素敵な本もある。(ちなみに最初、サウナに入って驚いていたときに友人からパルコ出版から出ていた「サ道」を薦められ、読んだ)逆に、彼らからも索敵されてしまうので、私の行きつけのサウナも見知らぬ若者が増えてきた。今まで平均年齢55歳くらいだったのに、急に25歳くらいまで引き下げられてしまったかのようだ。

 とにかく、こうやって15年、私は毎日サウナに入り、脳をクリアにしている。1日のうちで一番元気なのがサウナ上がり、と言うのはいつもどうなんだろうと思うが、本当なのだから仕方ない。もう寝るだけなのにね。

この記事が参加している募集

習慣にしていること

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?