フラット化する世界の終焉とブロック化する世界
2000年代に下記書籍が大流行したのをご存じだろうか?
この書籍ではグローバル企業が利益を最大化させるために、付加価値が高いものは自国で事業を行い、付加価値の低いものを一番安くできる新興国へアウトソースすることによって利益を最大化させるといった内容を紹介していた。
さらにその流れはIT革命によって海外との連絡コストが格段に安くなったことから、その流れはどんどん促進されていき、今後この流れは続いていくだろうという内容である。
実際にこの書籍に書かれている通り、2020年まではまさにこの書籍に書かれている通り、グローバル企業はこの書籍に書いてある通りにビジネスを展開していった。
そしてこの流れがずっと続くものだとほとんどの人は信じていた。
しかし、2022年以降に起きている様々な事象を見る限り、この世界のフラット化というのは止まってきており、もはやこれ以上のフラット化はされない可能性が高いと感じるようになった。
いや、フラット化どころか、これまでのフラット化の流れに逆行する形で昔のようにブロック化していくのではないかとさえ考えるようになった。
しかも、もしそのような流れが生まれているのであれば、これまでのビジネスの常識は非常識になり、ビジネスマンはビジネスの展開の仕方を考え直す必要性があるし、投資家は本当に自分のポートフォリオはこの流れに対応できているのかを確認する必要性が生じるわけで、大きな時代の分岐点にいるように思われる。
今回はなぜ世界のフラット化は終焉し、ブロック化していく可能性があるのかを論じていきたいと思う。
1、なぜ世界はフラット化したのか?
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