住宅不動産価格の先行きを予想するために知っておくべき不動産需給サイクルとは?

2022年後半から2023年はグローバルに見て住宅不動産市場の先行きは大丈夫なのか・不動産バブルが崩壊するのではないかと非常に懸念された時期となった。

理由は単純明快で米国ではインフレ対応のためにゼロ金利から5%台にまで政策金利を一気に上げたことで、住宅ローンの利率が大幅に上昇したために、もう誰も不動産は買えないし、不動産デベロッパーの借り入れコストの上昇で続々とデフォルトするのではないかと懸念された。

日本でも2022年12月にYCC(イールドカーブコントロール)が修正されたことにより、いよいよ日銀も現在の金融緩和が修正され、金利高時代になるのではないか・それに伴って変動金利で住宅ローンを借りている人達の負担が上昇していくことによって、これまで上昇してきた日本のマンション価格も暴落するのではないかという懸念が報道されていたりもする。

しかし、いずれの懸念においても、そもそも不動産価格はどのように動くのかという理論を体系的に知っていなければ、その懸念は妥当なのかどうか判断はできない。
逆に言えば、不動産価格の決定メカニズムがわかれば、先行きどうなるのかを一定程度予想することができるのである。

今回は住宅不動産価格を正しく予想するために知るべき住宅不動産需給サイクルと、2023年7月時点でその理論に基づいて各地域の住宅不動産価格の先行き予想を書いてみたいと思う。

1、住宅不動産価格を形成する需給サイクルとは?

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