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食にこだわりのない娘のために 今日も私はごはんを作る

 以前、中学生の娘に作るお弁当のことをnoteに書いた 。(https://note.mu/makotok/n/na1cca05c3240?creator_urlname=makotok
 自分が子どもの頃、お弁当のおかずが茶色一色だったりすると、カラフルで可愛らしい女の子っていう感じのお弁当を持ってくる子と比べ密かに劣等感に浸っていたので、自分の娘には開けた瞬間に華やぐような色合いのものを持たせたいと頭をひねっているにもかかわらず、肝心の娘にその感覚がないことを知り、ガッカリしたものだった。つい先日も、春巻きが大好きな娘が、お弁当のおかずの一品にすぎない冷食の春巻きのおいしさを絶賛し、ご飯の上に春巻きをバーンと2~3本乗せて欲しいという高校生男子かよとつっこみたくなるようなリクエストをしてくるという出来事があった。

 おかげさまで、今ではこんな感じの大胆な外見のお弁当を持たせるようになってしまった。

 娘は本当に食に対しこだわりがない。お弁当に限らず、あの子の口から「〇〇が食べたい」という言葉を聞くことが滅多にない。メニューのリクエストをされた試しがない。カレーやハンバーグが好きという話も聞いたことがない。好きなものは何か聞いたことは何度かあるが、そのたびに返ってくる答えが「きゅうり」か「春巻き」だ。春巻きは百歩譲って許せるとして、何なんだよきゅうりって。おまえはカッパか。

 そのため、夕飯についてもメニューを考えるのに悩んでしまう。食べないものないの?と聞いても「うーん、なんでもいい」としか返ってこないから、「メニュー考え戦力」にカウントできないのだ。冷蔵庫にある食材と、自分が食べたいものは何かということと併せ、自分のスキルと費やせる時間を考えてメニューを決めるが、子どもの頃からの刷り込みで夕飯の食卓には副菜を3品以上並べないと淋しく感じてしまう。いろいろ考えて作ってみたところ、肉ばかりとか魚ばかりとか、茶色一色になってしまったとか、そういうこともたまにあるので、娘に詫びの言葉を述べるが、だいたい「え?そう?」という反応で終わることが多い。

 本当に、食に対して意識が向いていないことがよくわかる。

 食べられればなんでもいい。おなかがいっぱいになれば中身なんて気にしない。考えようによっては何でもいいんだからラクじゃないかと思う。たとえ夕飯に白いそうめん一品のみでも、たぶん文句は言わないだろう。

 そうは言っても、やはり親というもの割り切ることができない。
 自分の性格的なものもあるし、自分の親からの刷り込みもあると思うが、夕飯はバランスを考え品数多く、お弁当はなるべく可愛らしくカラフルかつ本人の希望に応えて作りたいという思いは変わらない。

 おいしいという感想を言うことも滅多にない育ち盛り食べ盛り娘のために、それでもモリモリ残さず食べてくれることに喜びを感じつつ、今日も明日も手を抜かない昼の弁当と晩御飯を作り続ける。

 自分が子どもの頃、さんざん母に文句を言ったことをちょっと悔やんだりしながら、ネガティブなものでもまだ反応があるだけいいじゃないかなどと、自分を正当化してみたりもしながら。

 

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