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日本語学校事務員は稼げない?年収を上げる為に必要なこと

「日本語学校職員は稼げないよ、好きな人じゃないと続かないし、食べていけない。」

私が日本語学校業界に入る前、日本語教師養成講座を受講している際、業界の先輩や先生方からよく言われました。

正直なところ、日本語業界の給与水準は低いのが現状です。以下、私がTwitterを通じて実施したアンケートの集計結果になります。

✳︎日本語学校に求める事に関するアンケート調査

このアンケートから、8割の方が待遇の改善を求めている事が分かります。
そして、「日本語学校職員は稼げないよ、好きな人じゃないと続かないし、食べていけない。」と言われてしまう日本語業界の待遇の悪さを立証しています。

しかし、何故待遇が悪いのかを分析する事で、自分の待遇を良くする為の最適な答えを得る事が出来ます。待遇が悪い原因を知るには、まず日本語学校の収益構造を理解する必要があります。

1.日本語学校の収益構造

日本語学校の収益構造は、別事業の展開(学生寮運営含む)があるか無いかで変わってきます。ここでは、日本語学校のみを運営している学校という前提でご説します。

副業を持たない日本語学校の収益(売上)は学費からのみ

収益限は一つしかなく、サブ事業の展開が難しい日本語学校においては、入学予定者並びに在学生から支払われた学費から、各固定費、代理店への紹介手数料を差し引いた金額が、職員への給与として支払われます。
この収益構造で適正な運営をしつつ、職員への給与ベースを上げる為には以下の方法があります。日本語学校現役職員の方々は、思い当たるところがあると思います。

•告示基準に定められた専任教員数等を順守しつつ、最低限の職員でやりくりする

•定員を増やす(学費がたくさん入れば人件費にお金を回せる)

•学費を値上げする(例:3万上げた後、100人入学すると300万円プラスになる)


留学ビザは100%交付されない=収益が安定しない

上記の様な収益を増やす為の理論があっても、そう簡単ではないのが日本語学校の運営です。

残念ながら、全ての入学希望者の留学ビザが交付される事は殆どありません。ある年はほぼ100%交付されても、翌年は10%しか交付されなかった等、運営が非常に難しく予測がつきにくいのが現状です。

さらに交付率が悪く定員の8割以下(適正校の場合))であれば、増員も出来ません。増員が出来ないと言う事は、増員による売上(学費)は増えませんので、人件費に回せる分のお金は変わりません。

そうなると、給与のペースアップ、賞与の支給は最低限、又は無しという悪循環になってしまいます。ここが日本語学校職員の給与が中々上がらない理由の根幹なのです。

ではこの様な状況の中でも、日本語学校事務職員給与を上げるにはどうすれば良いのか?をご紹介します

2.給与アップに必要なこと

どの業界、業種においても同じ事が言えますが、収益源が限られている日本語学校においては特に「専門性=評価」の法則が当てはまります。

自分の得意な領域を極め、絶対に必要と言われる人財になる

上述した様に日本語学校の売上の内、人件費に充てられる比率は、増員やビザの交付率等不確定な要因が多い中では最低限になる可能性が高いです。

その最低限の人件費の中で、どの職員にどれだけの給与を分配するかは、各職員の能力査定に関わってきます。

残念ながら、特に事務員は教員以上に分配されるお金が少ないのが現状です。告示基準において、教員と違い、事務員は明確な必要人数が定められていない為、運営上の重要度が下がってしまう為です。

ただ、その中でも自分が得意な領域を極める事で、学校から絶対に必要とされる人財となれば、自ずと分配される給与比率も上がります。私の場合、以下の事を特に極めてきました。

  • 在留認定申請業務、特に書類チェックと不交付理由の分析

  • 学生の生活指導及びサポート

これにより給与も上がっていきましたし、必要とされる人財になれた事で役職にも就きました。さらに前職の学校から現職の学校に移る際、この得意領域を評価して頂き、年収が200万近く上がりました。

自分の得意領域を極める事は自社内だけでなく、転職の際に自分の市場価値を上げる大きな武器となりますので、是非実践してみて下さい。

3.日本語学校事務員の皆様に向けて

私自身の経験上、事務員の仕事は給与の額面以上に大変な事が多いです。それ故に優秀な方、新卒の方々が中々定着せず、他業界に転職してしまう現状が続いています。

確かに大変な事も多いですが、自分の得意領域を見つけ、極めてみてください。自分自身では気付かないかもしれませんが、知らない内に周りの人、学校はきっと評価してくれます。その評価が給与のベースアップ、役職就任に繋がります。

日本語学校事務員が担当する在留認定申請業務、生活サポート、ビザ更新業務がしっかりとこなせる日本語学校事務員は意外と少ないです。少ないと言う事は、多くの学校から重宝される人財になり得るという事です。

最後にこれから日本語学校事務員への就職を考えている方、辞めるか続けるか日々悩み苦しんでいる方々に対し、この記事が少しでもヒントになれば幸いです。

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