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いのちの授業

ふくしとぼうさい日記321日目。
日々の活動であったことから、思ったことを綴っています。

今日夕方、神奈川県庁に行ってきました。
あいにくの雨でしたが、イチョウ並木がすごく、思わず写真を撮ってしまいました。

第9回「いのちの授業」大賞表彰式というもので、一緒に活動している小学6年生の山崎康平くん(ジェフ君)と一緒に表彰していただきました。

以前、7月に行ったすこやかいきいき協議会「インクルーシブ防災入門講座」に参加され、その内容を小学校で書いた「第9回いのちの授業大賞作文」で書いて応募したところ、約10,000人の応募数の中から県内で10人に選ばれ「優秀賞」を受賞したと嬉しいお知らせをいただきました。
その賞は書いた本人とあわせて、その授業(今回は講座ですが)をされた側も受賞されるということで、以前のnoteでもまとめていますので、よろしければご覧ください。

いのちの作文|服部誠 #note https://note.com/makotohattori/n/n7218abb13eac

17:30から始まった表彰式。

ちょっと緊張の面持ちのジェフ君。私も緊張していました。
黒岩知事からの挨拶にはじまり、大賞から優秀賞まで11人の小学生と授業実施者が表彰されました。

その場では、他の児童の作文も配布され、他の作文も素晴らしい作文ばかりでした。

集合写真を撮影し、30分で終了しましたが、大変貴重な経験をさせていただきました。

数ある作文の中でも、やっぱり一段と素晴らしい、ジェフ君の作文を多くの方に見ていただきたく、以前のnoteでも掲載しましたが、こちらでも再掲載します。

第9回「いのちの授業」大賞作文 優秀賞
「インクルーシブ防災」
逗子市立逗子小学校 6年山崎康平
「インクルーシブ防災に参加してみない?」とある日母から提案されました。僕は「防災」は知っていますが「インクルーシブ防災」って何だろう?と思いました。そして僕は「インクルーシブ」という言葉にひかれて参加してみることにしました。「インクルーシブ防災」とは、災害時に障害者や高齢者を含め誰も取り残さず、あらゆる人を受け入れる、ということだそうです。
 地域で行われた「インクルーシブ防災」は「避難編」と「避難行動編」の2回に分けて開催されました。まずそこで僕は衝撃を受けました。僕は災害が起こったらまず逃げる、と言うことを想像します。そればかりが頭にあって、避難所で数日過ごす、と言うことがすっかり抜け落ちていました。大きな災害になると「避難編」「避難所編」だけでなく、「復興編」も視野に入れて行動しなければならないそうです。
 日本は災害大国と言われています。僕が生まれた後に起こった災害だけを考えても、東日本大震災や度重なる台風被害や豪雨災害などがあります。その中で障害者や高齢者の方の死亡率は一般的な死亡率の二倍になっているそうです。また災害関連死における割合は二十四%にもなるそうです。僕はとてもショックを受けました。同じく大切な命なのになぜそのような差が出るのかと。どんな人にも愛する家族や友人、知人がいます。もしも助かる命や知識やサポートがないために助けられなかったら、どんなに無念だろうと思います。このような事態を防ぐためには障害者や高齢者、乳幼児や健常者など、世の中には多様な人が存在し、その人それぞれの適切な防災の方法があることをみんなで考えて行かなければならないと思います。
 自治体には「福祉避難所」と言うバリアフリー機能を持った避難所があるそうです。災害時に近くにあればとても有効的だと思います。ですが非常時に避難する場合、果たしてそこまでたどり着けるのか?近くの避難所の方が早く安全にたどり着けるのではないか?地域の人ならば誰でも地域の避難所で受け入れることが出来れば、被害を最小限に抑えることが出来ると思います。避難行動で配慮が必要な人は地域のどこにいるのか、彼らは災害時にどのように避難し、どうやって情報共有して行くのかをみんなで考え、地域の防災訓練で実践していくことが大切だと思います。
 この「インクルーシブ防災」に参加して僕の心に一番響いたことは、僕の大好きな全盲のおっちゃんや車いすユーザーのお姉さん、若年性認知症のギタリストのおじさんが言った言葉です。全盲のおっちゃんは「僕は目が見えないけれど、車イスに乗っている人が目になってくれれば、車イスを押して避難所に行くことはできるよ」、車いすユーザーのお姉さんは「避難所で受付係くらいだったら私は出来ます」、若年性認知症のギタリストのおじさんは「避難所で個室があっても、自分よりもっと配慮が必要としている人に使ってもらいたいです」と。この感動をどのように伝えたら良いのかわかりません。ただ一言言えるのは「命は平等であり、とても大切なもの」であると言うことです。
 緊急時に誰一人取り残すことなく行動するためには、個人や地域社会の防災意識が大切である、と言うことを今回の「インクルーシブ防災」で学びました。

私としては普通に取り組んでいたインクルーシブ防災の入門講座は、ジェフ君にとっての「いのちの授業」となっていました。
そしてジェフ君の作文は、インクルーシブ防災の理解を広げる、ひとつの立派なツールになります。

ご両親にご許可をいただいたので、この作文をまずは、12月19日に予定しているインクルーシブ防災訓練「ゆる訓練」で皆さんに紹介をしたり、今後色々な場でインクルーシブ防災の理解のためのツールとして広く使用させていただきたいと思います。

ジェフ君、素晴らしい作文をありがとう!
さらに誰もが混ざり合って支え合う「インクルーシブ防災」進めていきましょう!


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