見出し画像

小説_『願い』

この記事は約1分で読めます。


奇跡的ともいえる場所に転がったリンゴ。

それを見てぼくは久しぶりに笑顔になった。

よくそんなところにのったな~と思っていた矢先、すぐにリンゴがそこから落ちた。

飼っている猫の上にのったリンゴは下に落ちて転がった。

そのリンゴをすぐに水洗いした。

いちいち切るのは面倒なので、そのままかぶりつく。

最初はリンゴの色が綺麗だったが、空気に触れたことにより少しずつ黄色みがかっていく。

猫はリンゴをかじるぼくをじっと見ていた。

それを見てリンゴを一部切り取って、猫に差し出した。

匂いを嗅いで、興味を無くしたような様子で、元居た場所に戻っていった。

猫の気持ちをわかるのは難しいと思う。人の気持ちもそうだ。

人の気持ちを理解するのは難しい。他人もそうだし、自分の気持ちも。

リンゴを食べ終えたぼくはゴミ箱にリンゴの芯を捨てて、ベランダに出た。

夜空を見るのは好きだ。

流れ星が夜空に線を描いた。何も願い事はできなかった。

流れ星に願い事をすると叶うというが、それはその願いが常に明確であることを示している。

自分の願いをすぐに流れ星に託すことができるということは、頭の中で整理できているということだ。

ぼくの願いは何だろうか。もう一度考えてみる。

文章って読むのも書くのも面白い。 よかったらSNSなどでシェアお願いします。