小説_『願い』
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奇跡的ともいえる場所に転がったリンゴ。
それを見てぼくは久しぶりに笑顔になった。
よくそんなところにのったな~と思っていた矢先、すぐにリンゴがそこから落ちた。
飼っている猫の上にのったリンゴは下に落ちて転がった。
そのリンゴをすぐに水洗いした。
いちいち切るのは面倒なので、そのままかぶりつく。
最初はリンゴの色が綺麗だったが、空気に触れたことにより少しずつ黄色みがかっていく。
猫はリンゴをかじるぼくをじっと見ていた。
それを見てリンゴを一部切り取って、猫に差し出した。
匂いを嗅いで、興味を無くしたような様子で、元居た場所に戻っていった。
猫の気持ちをわかるのは難しいと思う。人の気持ちもそうだ。
人の気持ちを理解するのは難しい。他人もそうだし、自分の気持ちも。
リンゴを食べ終えたぼくはゴミ箱にリンゴの芯を捨てて、ベランダに出た。
夜空を見るのは好きだ。
流れ星が夜空に線を描いた。何も願い事はできなかった。
流れ星に願い事をすると叶うというが、それはその願いが常に明確であることを示している。
自分の願いをすぐに流れ星に託すことができるということは、頭の中で整理できているということだ。
ぼくの願いは何だろうか。もう一度考えてみる。
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