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部屋

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連載中の小説マガジン。 ある日、起きると真っ白な壁に囲まれた部屋にいた。 心当たりはない。
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#部屋

部屋 第10話

おれはいくつかの番号を書き出した。 家族の生年月日、携帯の番号。 8桁の番号は思いつかな…

部屋 第9話

おれはタッチパネル式のボタンをみつめていた。 「いったい何の数字を入力すればいいんだ」 …

部屋 第6話

包み紙からA4用紙を一枚取り出した。 紙質は良い。厚く、滑らかだ。 「ここに来て何日経った…

部屋 第4話

部屋を改めてじっくりと見た。 白い壁紙には全く切れ目がない。 部屋の角も直角ではなく、曲…

部屋 第3話

ベッドから降りると床の冷たさが足元から伝わってきた。 スリッパもこの部屋には無い。 立っ…

部屋 第2話

目を閉じてどのくらいの時間が経っただろうか。 全く眠気が無い。 いつものおれならすぐにで…

部屋

朝起きると知らない部屋にいた。 でもベッドは同じだ。布団もまくらも同じ。 部屋は違う。ビルの一室のような何もない空間。 この部屋にあるのはベッドだけだ。 ほかには何も無い。 おれは考えた。 どのくらいの時間が経ったのかわからない。 この部屋に窓は無く、白い壁が周りを覆っている。 部屋の中心にベッドが置かれている。 床は白いセラミックタイルでワックスをかけられたように光っている。 昨日寝たのは何時だっただろう。 そもそも今日は仕事なのか、休みなのか。 記