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「分別生産流通管理済み」って何

 毎朝、納豆を食べている。太めの粒が好きだ。めかぶ、キムチ、生卵と混ぜて口に運ぶ。

 小学生の頃、漫画やホームドラマで糸を引いた納豆のシーンを見て食べたいと思った。わらで包んだ納豆を売り歩く人はいたが、親から「不衛生だからだめ」と言われた。1950年代初めに、わらを十分に消毒せずに販売し、サルモネラ菌などで死亡する事件があった。初めて口にしたのは、発泡スチロールの容器に入った物が販売されるようになった中学生の頃。以来朝食の必需品に。

 最近、納豆の原材料名に、気になる文言が表示されている。大豆について「遺伝子組み換えでない」と書かれていたものが、意味がよく分からない「分別生産流通管理済み」に。4月から遺伝子組換えの任意表示制度が変更されたからだ。

 これまでは、遺伝子組み換え大豆の混入が5%以下であれば「組み換えでない」の表示ができたと知った。消費者団体は5%は高すぎるのでEU並みに1%程度に下げるべきと政府に要請していた。これは受け入れられず5%以下の表示を「管理済み」ならOKに。「組み換えでない」は0%の場合のみとした。

 日本で使われている大豆のうち、国産はわずか6%。輸入元の7割が米国で、同国産の大豆は94%が「組み換え」。国産と輸入品を一切混在なく管理するのは難しいという。「組み換えでない」と表示してわずかでも混在があれば摘発される。ほとんどのメーカーが「管理済み」表示にした。

 遺伝子組み換えへの関心をそらすため、表示を変えさせようと裏で糸を引いた者がいたのではと勘繰ってしまう。

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