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【レビュー】問題解決プロフェッショナルー思考と技術

こんにちは、まことです。

今回は、齋藤嘉則さんの「問題解決プロフェッショナルー思考と技術」について紹介します。
著者の齋藤さんは現在は株式会社ビジネスコラボレーションの代表で、過去にはマッキンゼー・アンド・カンパニーの経営コンサルタントなどの経歴を持つ方です。

本書を紹介する理由は、多くのビジネスパーソンに必要とされる問題解決の基本スキルが学べるからです。
世の中には問題解決のフレームワークなどさまざまなものが出回っていますが、著者いわく、基本スキルがないとそれらも活かすことはできないとのことです。
仕事に関する問題を解決したくて、いろいろ勉強したけど、いまいち知識を活用できていないという人、今回の記事を読むことで糸口がつかめるかもしれません。


要約

本書の内容は次のような3段構成からなっています。
・問題解決に必要な思考法とテクニックの紹介。

・思考法とテクニックをどのように組み合わせて活用するかの解説

・著者が過去に経験した事例に合わせてどのように問題解決をしたのかの紹介

本書で紹介されている思考法とテクニックとはそれぞれ「ゼロベース思考」と「仮説思考」、「ロジックツリー」と「MECE(ミッシー)」です。
この本が発売されたのは1997年で、当時であれば新しいものだったかもしれませんが、今となっては知っているものばかりという人も多いのではないでしょうか?

念のため、解説しておくと、
・ゼロベース思考とは、既存の枠にとらわれずに、まっさらな状態から考えること。
・
仮説思考とは、まず仮説を立てて、それをベースに物事を進めていくこと。
・
ロジックツリーとはある事柄について、分解していく手法。
・
MECEとは、モレなく、ダブりなくという考え方。

これらについてはここでは詳しくは解説しません。
知っている人も多いと思いますし、検索すれば詳しい解説がいくらでも出てきます。
今回の記事では、これらを使った問題解決の流れを詳しく解説していきます。

問題解決の流れ

根本原因の把握
まずは、上記の思考術、テクニックを使い、起きている問題の根本原因を特定しにいきます。根本原因を特定しないと、対策が的外れになったり、対処療法にしかならないからです。
具体例としては、「営業マン1人あたりの売り上げが低下している」という問題の原因は、「商品力が低下している」と「営業マンの営業力が低下している」と分解できます。
この原因の分解にあたって、前述のゼロベース思考(既存の枠にとらわれない)、MECE(モレなくダブりなく)が重要になります。
さらに、この原因の分解もしていきます。
「営業マンの営業力が低下している」の原因としては、「訪問回数が低下している」や「効果的な営業ができていない」などがあります。
このように分解していくことで、問題の根本原因を特定することができます。

解決策の考案
根本原因を特定したら、次は、対策を考えていきます。対策を考えるのも先ほどと同じ流れです。ロジックツリーを使い、「だからどうする?」と分解していきます。
「訪問回数が低下している」という根本原因の対策としては、「訪問効率を上げる」と「勤務時間を延ばす」があります。
ここで終わりではなく、「訪問効率を上げる」ためにはどうするかを分解していきます。「訪問順を変える」、「営業マン同士での訪問先の分担を変える」などがあります。
ロジックツリーの使い方として、分解した時の抽象度が高い時は、必ずMECEにし、具体的な話になってきたら、MECEは意識する程度でOKです。

解決策の検証
ここまでの流れで、具体的な解決策が考案できたら、次はその解決策について、検証していきます。
検証の仕方としては、次の観点で解決策を見ていきます。

・期待される成果

・投入資源(ヒト・モノ・カネ)

・失敗のリスク

・成果を出すまでのスピード

これらの検証をする時に、冒頭で紹介した思考術の1つの仮説思考が役立ちます。
例えば、期待される成果というのを算出するのに、必要が数字が完全には揃っていないこともあると思います。むしろ、完璧に数字が揃っている場合の方が少ないかもしれません。
そんな時にも、今持てる情報で論理的に仮説を立てて検証していくことが必要です。
これらを総合してどの解決策を実行するかを決めましょう。


アクションプラン

せっかくここまで読んでいただいた方には、なんとなくわかった気がするというだけでは終わって欲しくないので、この本から学んだことを活かすための今後のアクションプランを提案します。
ここで問題解決の流れを学んだからといって、いきなり全ての流れを実践するのは難しいと思います。
まずは、「根本原因の把握」をロジックツリーでやってほしいと思います。
理由は、根本原因がわかっていないと、その後やることが全て無駄になってしまう可能性があるからです。
やり方は前述の通りですが、顕在化している問題について、「なぜそれが起きているか?」という問いに答えるように原因を列挙していきます。1、2段目くらいの分解した時の抽象度が高い時は、必ずMECEにし、具体的な話になってきたら、MECEが困難になるので、意識する程度でOKです。


最後に本書の私のおすすめ度を紹介します。

おすすめ度:・☆☆☆☆(ぜひ読んでほしい)

本書は、問題解決の一連の流れを丁寧に解説してくれる一冊です。発売からかなりの年月が経っていますが、紹介されている手法自体には全く古くなっていません。
最近では、たくさんの問題解決手法の本が出版されていますが、多くの本が、断片的に手法を紹介しているのみで、本書のように一連の流れを紹介しているものは少ないです。
問題解決の一連の流れ・全体像が見えてこそ、手法を適切に活用していくことができます。本書を読んで全体像が見えるようになれば、他の書籍で紹介されている手法もより活用できるようになると思います。

以上、齋藤嘉則さんの「問題解決プロフェッショナルー思考と技術」の紹介でした。
これからもどんどんいろんな本を紹介していきますので、応援よろしくお願いいたします。


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