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【レビュー】9割捨てて10倍伝わる要約力

こんにちは、まことです。

今回は、伝える力【話す・書く】研究所所長の山口拓朗さんの「9割捨てて10倍伝わる要約力」について紹介します。

概要

本書は要約力の鍛え方を解説する1冊です。
要約力とは、「情報のポイントとつかみ、場面に応じて、簡潔かつ論理的にアウトプットする能力」と本書では定義されています。
要約力を鍛えることによって、相手に短時間で正確に情報を伝達することができるようになります。現在のスピード社会では必須のスキルです。
反対に、要約力が低い人は、話が長く、相手の時間を奪ってしまうわりに、情報もうまく伝えられないため、仕事ができないやつというレッテルを貼られるリスクがあります。

本書では、要約は3つのステップに分けられるとしています。その3つのステップとは、情報収集→情報整理→情報伝達です。
要約というと、多くの人はどのように伝えるかにばかりフォーカスしがちだと思います。しかし、伝えることは、要約の一部分であるということです。
相手に正しく簡潔に伝えるためには、良い情報収集と良い情報整理が必要なのです。
本書では、3つのステップそれぞれについてどのように改善していくかが解説してあります。


「あなたの話はよくわからない」「あなたのメールは長くて読んでいない」と言われてしまっている人におすすめの一冊です。

ここからは、先ほど紹介した3ステップの改善の仕方についてざっくりと紹介していきます。

ステップ①:必要な情報を集める

良い要約をするには、まず必要な情報を集める必要があります。知らないことについて説明してと言われても、説明しようがないはずです。
必要な情報を集めるには、5W3Hの質問をしましょう。質問といっても、必ずしも誰かに聞かなければいけないということではなく、この質問を意識して、情報収集をしようということです。
5W3Hにすべて答えられるように情報収集できれば、一定の質は確保できていると言えるでしょう。
念のため5W3Hについてリストにしておきます。
・Who(誰が/どんなひとが)

・What(何を/どんなことを/どんなものを)

・When(いつ/どんなときに)

・Where(どこで/どこに/どこへ/どこから)

・Why(なぜ/どうして/何のために)

・How(どんなふうに/どうやって)

・How many(どのくらい)

・How much(いくら)


ステップ②:情報をグループ分けして整理する

相手にうまく伝えるには、情報をしっかりと集めることが重要ですが、集めっぱなしでは、うまく情報を活用することはできません。情報を整理しましょう。
情報の整理といっても、難しいことはありません。PCのデータのフォルダ分けをイメージするとわかりやすいかもしれません。フォルダに音楽、写真と名前をつけ、ファイルを割り振っていくイメージです。
グループ分けせずに、1つのフォルダに全てを入れてしまっていると、目的のファイルを見つけにくいですが、適切にグループ分けをし、フォルダを分けているとファイルを探しやすくなります。
グループ分け方もPCのフォルダ分けと一緒で、決まった分け方というものはなく、ある程度規則を持って、グループを分ければOKです。

ステップ③:テンプレで相手に簡潔に伝える

情報を集め、集めた情報を整理したら、あとはどう伝えるかです。
良い情報を集め、整理もできているのに、うまく伝えられ無ければ、宝の持ち腐れです。
幸い、どのように伝えれば伝わりやすいかは、テンプレートがあります。本書の中でも、いくつかテンプレートは紹介されていましたが、ここでは1つだけテンプレートを紹介します。
1.用件(話す事柄の全体像)
2.結論
3.理由(結論の理由)
4.詳細(結論の詳細)
このような流れで伝えていきます。
もう少しイメージが掴みやすいように、どのような言葉が使われるかを紹介します。

---例文---
1.用件:〜についてのご提案があります。

2.結論:〜してはいかがでしょうか?

3.理由:〜だからです。

4.詳細:具体的な案としては〜

最後に本書のおすすめ度を紹介します。

おすすめ度:・・☆☆☆(読んで損はない)

私の本書のおすすめ度は、星3つです。
本書は、前述のように、要約を3つのステップに分けて解説しています。ステップ③は伝え方のテンプレートが用意されていたりと、かなり具体的に書かれていてわかりやすく、今後のアクションにも繋げやすいと思いました。
とはいえ、他にはない特別なテンプレがあるわけではないので、文章術関連の本をよく読む人には、見覚えのあるものが多いと感じるかもしれません。


また、ステップ①と②は私にはわかりにくかったです。内容的に読者を絞らずに、仕事においても、プライベートにおいても使えるようにと幅広い層に向けて書いているのだと思いますが、それが逆に、抽象的すぎてわかりにくく、どのように実生活に活かせば良いかがわかりませんでした。

この手の本は読むだけでは、ほとんどなにも身につきません。この本を読めば、要約力とはなにかはわかるようになりますが、わかるとできるには大きな解離があるので、実際にこの本を読んでつけた知識を活かして、練習を繰り返す必要があります。

以上、山口拓朗さんの「9割捨てて10倍伝わる要約力」の紹介でした。
これからもどんどんいろんな本を紹介していきますので、応援よろしくお願いいたします。



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