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驚きと期待を超えて

子どものころって、なんか、時間が流れるのが、すっごく遅かったよなー、と思う。

フランスの哲学者 ポール・ジャネが提唱した「ジャネーの法則」によれば、50歳の人間の10年間は、5歳の人間の1年間に相当し、逆に、5歳の人間の1日は、50歳の人間の10日に相当するんだって。

これって、ほんとジャネー?(笑)

子どものころは、人生未経験ゾーンが、あらゆるところにあって、そこに足を踏み入れるたびに、衝撃、驚愕、畏怖、歓喜の連続だったから、時間が濃厚だったんじゃないかな。

3歳の人生初のショートケーキ。そりゃ、なにこれ、こんな美味しいもの、すげー、ってなるわけだけど、54歳にもなると、まーたショートケーキか。。。とか、なる。

あー、はいはい、また、あれですね。。。おー、少し変化球ですけど、基本的には、あれですね、はいはい。。。と処理できるような年齢になれば、薄い時間が、さらさら流れて行くだけ。新しいことは、何も起こらない。

こうして、人生後半の戦いは、いかに退屈に耐えるか、ということになるんだろうか。

今日の聖書の言葉。

わたしたちの内に働く御力によって、わたしたちが求めたり、思ったりすることすべてを、はるかに超えてかなえることのおできになる方に
エフェソの信徒への手紙 3:20 新共同訳

この言葉のスゴイところは、私たちの最高の期待値があるとして、神はつねにそれを超えて行く、ということだと思う。

可能な限りの想像力を働かせて、人生最大の期待をイメージしてみる。。。自分が一度も経験したことがないような驚きへの期待。。。それが最高の期待値なわけだけれど、神はつねにそれを超える経験を与えてくれる、というんだ。

なんで神にそんなことができるか、というと、アンセルムスの説明によれば、「神とは、それより大なるものが考えられ得ないもの」* だから。

神は、私たちのどんな驚きや喜びよりも、つねに大きい。どんな大きなものも、超え続けて行くのが、神だから。なので、神は、どんな驚きや喜びも超える「何か」を、与えることができる。

その驚きと喜びは、つねに超え続けていく。先があって、先があって、さらに先があり、ずーっと続く、みたいな。

この、超え続けて行く驚きと喜びを経験するには、永遠が必要になる。だって、ずーっと超え続けて行くわけだからねー。。。こうして、神だけでなく、人間にも永遠の命が要請されることになるんだ。

その「何か」はなんなの? ということは、いまは、見せてもらえない。。。だって、永遠の人生未経験ゾーンだから。

註)
* アンセルムス『プロスロギオン』2:1

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