お腹いっぱい、食べましょう!
アメリカ南部の黒人教会には「シーズン・オブ・グレイス」という習慣がある。直訳すれば、恵みの季節、だ。
もとは、スコットランド長老教会が、年に4回、聖餐式にあずかること(陪餐という)を信徒に義務付けていて、それがシーズン・オブ・グレイスのオリジナルだ。
それが、アメリカの黒人教会に伝わり、年に数回、すべての信者があつまり、信仰をリフレッシュすることを、やっぱりシーズン・オブ・グレイスと呼ぶんだけど、その特徴は、礼拝で聖書のメッセージを聞いたあと、みんなで「ごちそう」を食べ、心も体もリフレッシュすることなんだ。
そのシーズン・オブ・グレイスの典型的なメニューは。。。
フライドチキン
マッシュポテト
マカロニチーズのグラタン(マックアンドチーズ)
ゆでたトウモロコシ
ゆでたインゲン豆
コールスロー
コーンブレッド
。。。という感じ。
シーズン・オブ・グレイスの当日、教会のキッチンは、トウモロコシをゆでる、もうもうとした水蒸気と、その甘い香りで、部屋に入っただけで、お腹がグーッと鳴ってしまう状態。
この黒人教会のシーズン・オブ・グレイスのレシピは、「ソウル・フード」(魂の食物)と言われている。
今日の聖書の言葉。
疲れた者に力を与え 勢いを失っている者に大きな力を与えられる。
イザヤ書 40:29 新共同訳
心が落ち込んでる。。。元気がない。。。そんなときは。。。
祈って、聖書を読み、祈って、信じて、祈って、立ち上がって。。。
。。。というだけでは、十分ではないんだ。魂の食物、ソウル・フードを食べないと、ね。
祈って、食べて、元気を出す、という疲労回復法は、聖書のなかに、あちこち出て来る。
たとえば、70年間のバビロン捕囚(異国への強制移転)を生きのびて、必死で帰国し、焼け落ちたエルサレムを再建したユダヤ人たちは、身も心も疲れ切っていたんだけれど、彼らは、聖書の朗読を聞いたあと、このように命じられたんだ。
行って良い肉を食べ、甘い飲み物を飲みなさい。その備えのない者には、それを分け与えてやりなさい。今日は、我らの主にささげられた聖なる日だ。悲しんではならない。主を喜び祝うことこそ、あなたたちの力の源である。
ネヘミヤ記 8:10 新共同訳
ジュウジュウいう炭火焼の厚切りステーキを食べて、思いっきりコーラを飲みなさい、といったところか。
イエス・キリストは、父の財産を食いつぶし、落ちぶれ、無宿者になってしまった息子が、罪を悔い改めて父の家に帰るという「放蕩息子」のたとえばなしのハッピーな結末を、こう描いている。
父親は僕(しもべ)たちに言った。「急いでいちばん良い服を持って来て、この子に着せ、手に指輪をはめてやり、足に履物を履かせなさい。 それから、肥えた子牛を連れて来て屠りなさい。食べて祝おう。 この息子は、死んでいたのに生き返り、いなくなっていたのに見つかったからだ。」
ルカによる福音書 15:22-24 新共同訳
罪を悔い改め、神と和解せよ。。。だけで、メッセージは、終わりじゃあない。だいじな続きがあるんだ。
イエス・キリストの十字架と復活によって、罪がぜーんぶゆるされて、心と心のつながりが、自分と神のあいだに出来た。。。そうであるなら、喜ばないと。大いに喜ばないと。
それも「よろこびー」と叫んでいるだけじゃ、だめなんだ。お腹いっぱい、おいしいものを食べて、甘い物を飲んで、お祝いするべきなんだ。
だって、考えてもみてよ。世の中に、これほど嬉しいことはないじゃない? 罪のゆるしも、天国も、永遠の命も、祝福も、きよさも、キリストも、聖霊も、父なる神も、いま、すでに、ぜーんぶ、あなたのものに、なったんだから。
だから、とびきりの「ごちそう」を食べて、全力でお祝いしないと。
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