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七夕でふと考える地球の鼓動

7月7日は七夕,天の川の両岸にいる織姫と彦星が年に一回出会う日.

七夕にちなんで,遠く離れたものたちが出会うことをプレートテクトニクスで物語ってみようと思います.下の図のように,太平洋プレートが日本列島の下に沈み込んでいます.太平洋プレートの上にあるハワイ諸島は太平洋プレートが西に進むことでだんだん日本列島に近づいています.

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(出典:地震調査研究推進本部『地震発生のメカニズムを探る』)

太平洋プレートは年間10 cm弱で西に進んでいるので,数百万年先,数千万年先に,日本とハワイは出会うかもしれませんね(日本とハワイが織姫と彦星のように会うことを願っているのかは分かりませんが...).以前のnote記事で,プレートが進む速度と人間の爪が伸びる速度はほぼ同じことを紹介しました.プレートの動きはGNSS(いわゆるGPSのこと)による観測で捉えられるようになってきました.

プレートが動く原因としては,①プレートが自らの重みで海溝に沈み込むという説と②プレートの下のマントルの動きに合わせてプレートも動いていくという説,の2つの説が有力な説です.プレートテクトニクスの根本的なこの問題に対してはまだまだ決定的な証拠がなく,多くの研究が引き続き行われています.プレートテクトニクスの解明の一つとして「まんとるプロジェクト」が進んでいるようです(下記リンク参照).

マントルの岩石そのものを直接手にした人は誰一人いないなかで,科学掘削船ちきゅうを使ってマントルまで掘ってマントルの岩石を直接採ろうという国際研究プロジェクトが日本人研究者を中心に検討が進んでいます.地球科学にとって令和はマントルの時代になるかも?

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(科学掘削船ちきゅう.2019年3月静岡県清水港で撮影)

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