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10年ぶりの楽しい読書と私について

何年ぶりに本を読んだのだろう。
社会人になってから10年近く(正確には8年くらい)、いつの間にか全く読まなくなっていた。最後に読んだ本は思い出せない。

私は最近YouTubeでVlogを観るのにハマっている。動画はなんとなく苦手で、好きなアイドルのMVを観るくらいにしかYouTubeを使っていなかった。それがどうしても旅行に行きたくなり、旅行Vlogを観たことをきっかけにすっかりハマってしまった。

私の好きなVlogの方たちはよく本を読んでいる。色んな素敵な表紙やタイトルの本を見ることで、また読みたいなという気持ちが蘇ってきた。10年近く読んだ覚えがない私にもまだ読みたいという気持ち、本が好きという気持ちがあるようで嬉しかった。

一番最近読んだのは、小川糸さんの「ツバキ文具店」。私の観る色んな方のVlogに何度も登場していた本。動画の柔らかな雰囲気とこの本がとても合っているような気がしてずっと気になっていた。私は今まであまり女性作家さんの本を読んでこなかったが、最近は逆にそればかりに目が行く。10年も経っているのだから、趣味や考えも変わっているよなと思う。

数か月前に私は自分の部屋の断捨離をはじめた。かなりの物を捨てたり売ったりした。その中に本も入っている。本もほとんど売ってしまった。残ったのは江戸川乱歩の「幽麗塔」と、大槻ケンヂの「グミ・チョコレート・パイン」。全然違う作品だが、手放せなかったこの2作は本当に好きなんだなと思った。いま読みたい作品とも雰囲気が違いすぎる!笑

手放した本の中で後悔しているものもある。特に市川拓司の「ぼくらは夜にしか会わなかった」の単行本は本当に置いておけばよかった。表紙のイラストから小説の内容まですごく好きで、読書にのめりこんだきっかけのひとつだったと思う。売ったお店にもう置いてないかと聞きに行ったけど、やっぱりなかった。店員さんに変な人を見るかのような態度をとられ、このあと盛大に落ち込む。この本は新品をネットでもう一度買おうと思う。

いまは、梨木果歩さんの「西の魔女が死んだ」を読んでいる。これも売ってしまったので買い戻した本だ。小学生の不登校だった時期に図書館の先生におすすめされて読んだのが初めて。大人になってから再び読んで、そのまた約10年後にいま読んでいる。本当に優しくて素敵な物語。この数年は私も祖母と濃い時間を過ごしているので、昔読んだ時とは違う感覚でいる。まいとおばあちゃんの生活に時々涙がこぼれる。

数年ぶりに読書が楽しいと思えたり、ほとんど断捨離をしてしまった本を買い戻したりしていて、私の人生の章がまた新たにはじまるのかなとふと思った。

現在私は2年休職していた会社を辞め、フリーランスとして働き始めたところだ。どうしても職場にいること自体が苦痛で、何度も転職や休職を繰り返し、どこかに属さずリモートワークで働く今にようやく至った。まだ軌道には全然乗っていないし、私自身が本当にやりたいこと、できることはこれでいいのかなと先行きもふわふわしている。

リモートワークはこれまでのかなり薄い仕事人生のなかで一番しっくりきているし、この方向で生活できるようにしていきたいと今は思っている。たぶん、これから何度も落ち込んだり何でもできそうな気がしたり、諦めたり諦めなかったりの毎日が続く。大好きな紅茶と本で休憩しながら、ゆっくり進んでいきたい。

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