藍色、哀色。
青い錠剤を1粒飲み込む。
ベッドに入ってからもこの錠剤無しでは寝付けないから仕方がないのだ。
身体の中で溶ける青。
ぐにゃりと歪む世界。
それを見ると安心する。これでやっと眠りにつける。
柔らかな布団に包まれ夢の中へ心地よくおちてゆける。
あの人の笑った顔にまた会える。
秒針の音が心臓の音より遅い。
空気が冷たくて鼻が冷える。
窓の外では雨が降っているようだ。
どうりで寒い訳だ、と納得をする。
あの人の言葉じりに死の気配があっただろうか。
今となってはもう分からない。
分かりたくてももう叶わない。
痛いな。
夜が溶けてゆく。
泣いているのはだれ?
スマートフォンから流れる音楽。
これで私は孤独じゃない。
きっとあの人もそう。
傍に居たいだけ。抱き締めてあげられなくてもいい。
重力に従ってゆっくり堕ちてゆく。
最後に聴こえたアコースティックギターの音が優しかった。
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