Twitterにあげた詩まとめ⑨
『むかしばなし』
痛いとかくるしいとか
それが愛だと思ってた
他人にはしないから、
簡単にできることじゃないから
蹴り飛ばしたのはあたしの意思で
やっと鎖が解けたの
乱癡気騒ぎとアルコール
あたしの葬式を冒涜して!
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『0.92』
何度でもあたらしい身体に蘇る
―朝が来るから
夜になればまた永眠する
数時間、永眠
あたらしい身体になるからね、
大丈夫だからね
ずっとおなじ身体でいたいよ
生きているから
生きてきたから
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『彗星ペン』
空が殺風景な気がしたから
彗星ペンで描き足した
自分の思い通りに
空を街を描き足したんだよ
でもずっと伽藍堂で
桜が、散る様が美しくて
ぼくの世界にはきみが
居ないと完全にならないことが
いたい
やっと読み終えた小説
感想を誰に言えばいいの
いたい
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『体温は知らない』
あなたが好きで、いつも好きで
好きで、好きで仕方がないよ
電車やギターや漫画の中にも
あなたが居て
頭から離れないのは
あなたが心に住み着いてるから
あなたと一緒に居られなくていい
おはようとかおやすみとか
言えなくて、いい
利用してください
あなたの栄養になりたい
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『内出血みたいね』
そうだよ、と言って笑って
私を肯定して
世界を取り戻すために
君の言葉が必要だった
膝小僧を擦りむいたままで
嚥下困難なままで
世界を君の隣に置いていて
飴が溶けるほど、暑い
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『消えない』
夢で会えたら
諦めもつくでしょうか
薄暗い部屋で朝か夕か確かめる間
カーテンの向こうで
こどもがはしゃいでいた
私もそんなふうになりたかった
会いたい気持ちでできた綿毛が
部屋中振り積もって
もう外には出られない
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『ワレモノ』
夜の公園、桜が降る場所、紫煙の傍、狭い部屋、インターネットの青白い光
誰かの本の中、誰かの音楽の中、誰かが作った服の中
私の居場所はたくさんあるのに
孤独です
ありったけの愛を放出する
受け容れる器は██年前に割れてしまった、
から
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古い記憶の小さな少女と小さな僕。
ふたりで違う味のチュッパチャプスを舐めながら少女が言った。
「これがさもし惑星だったらさ、」
僕らが領土を半分まで減らした惑星・チュッパチャプス。
少女の惑星はラムネフレーバーで
僕の惑星はコーラフレーバー。
テーマ:チュッパチャプス
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様々なものを捨てて都会に来た。
まともな飯を食べられるようになってあの頃の自分が人間であったのかあやふやで、はたまた存在していたのかすら曖昧になった。
都会の中の田舎の夜に散歩をした。
こちらを一瞥し走り去った影、都会にもいるのだ。彼は昔の自分だ。
テーマ:ハクビシン
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