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「良さが分からない名盤」を語ってみる〜20位-11位

@zippu21さんという方X(旧Twitter)でやられていた「良さが分からない名盤」を決めるという投票企画の結果の名盤たちについて、一昨日noteで30位から21位まで個人的感想を書いてみましたが、
今回はその第2弾、20位から11位の「良さが分からない名盤」について感想をnoteしていきます。

前回の30位〜21位のnoteはこちら。



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20位: Kind of Blue (Miles Davis)

発売年: 1959年 ジャンル: ジャズ

はい、モダンジャズの大名盤。
ジャズの名盤といえばビル・エヴァンスのピアノトリオの名盤『Waltz for Debby』もあるんですが、あちらはピアノということもあって耳にも馴染みやすく聴きやすいので「良さが分からない」ことはないんじゃないかと思います。

しかし、こちらのアルバム、ジャズ界の帝王マイルス・デイヴィスの作品をして「良さが分からない」なんて言ったらあのしわがれ声で叱られそうですが、やっぱり地味なんでしょうね、多分。
そして、ハードバップ期のアルバムと違ってモードの時代なので、コードもはっきりしないしメロディも口ずさめるようなキャッチーさもないんで「さっぱり分からん」てなるんだろうなというのは想像出来ます。

僕が最初にちゃんと聴いたのは2010年頃なので大人になってからです。
子供が産まれるのを機に、ギターがギャンギャン言ってるヘビーメタルばかり聴いていては胎教に悪いから、
「よしこれからはJAZZを聴くぞ!」
とモダンジャズの歴史本で紹介されている名盤をずっと辿って行ってた頃です。
マイルスがこのアルバムを出す頃には、かなりのジャズアルバムをスィング、ビバップ、ハードバップと聴き継いで来ていたので、このアルバムにも割とすんなり入れました。

タイトルとジャケットの醸し出すイメージ通り、この静謐な感じが素敵です。
だけど、ライブで演奏すると全然雰囲気が違っている場合もあって、1曲目のSo Whatなんてライブ盤ではかなりテンポアップしてかなり熱い演奏になっています。

※ ※ ※

19位: 空中キャンプ (フィッシュマンズ)

発売年: 1996年 ジャンル: レゲエ

1996年。
日本のシーンは全くと言うほどノーチェックだったので、フィッシュマンズのこともだいぶ後になってから知りましたし、このアルバムの存在も然りです。
なので、まだ僕はこのアルバムとは出会ってもいないと言ってもいいかもしれません。

※ ※ ※

18位: Remain in Light (Talking Heads)

発売年: 1980年 ジャンル: ニューウェイヴ

確かに!これは、良さが分からなかったアルバムでした。
A面1曲目に"Once in a Lifetime"でも持ってきていたら、もう少しとっつき良かったのかもしれないですが、いきなり
「なんだこのリズムだけの曲は?」
て感じになると思うんですよね、1980年だと。

アメリカインディーズのガレージバンドだと思っていたのに、ニューアルバムがアフリカンファンクとでも言うようになっちゃって。

次作の1984年『Speaking in Tongues』もレコードだけだとやっぱりよく分からなかったです。
『Stop Making Sense』のライブでMTVとかでも映像が放映されて、デヴィッド・バーンが来ていたあの肩幅のバカでかいスーツなんかもあって若干イロモノ的に見ていたようなところもあります。
当時流行っていたデザイナーズブランドのYs for Menとか着こなしちゃうような大学の友人がいたんですが、彼の車に乗せてもらうといつもトーキングヘッズがかかっていましたが、やっぱりデヴィッド・バーンがファッション的にお洒落だからということでチェックしていたみたいです。

やっぱり大人になって耳が広がってからですかね、ちゃんと彼らが素晴らしいと理解できたのは。

※ ※ ※

17位: Song Cycle (Van Dyke Parks)

発売年: 1967年 ジャンル: ポップ

うん、分かりませんね!以上!
今で言うとスフィアン・スティーヴンスのような感じなのかなぁ、と思いました。

実際、Song Cycleアルバムの説明にもこんな記述がありました。

ヴァン・ダイク・パークスが1968年にリリースしたアルバムである。込められた壮大な野心、つぎ込まれた法外な予算、そして全くふるわなかった売り上げで有名である。

型にはまらない楽曲構成を作り上げて、アメリカ固有の音楽要素を追い求めている。対して個々の楽曲には、南カリフォルニアの様々な地域が描かれている。タイトルは、アルバムの内容を表す、連作歌曲から取られている

そういう背景を知ってはじめて「ふーん、なるほど」とは思うんですが、楽曲だけ聴いてもやっぱりよく分からないですよね。
ポップソングとして聴こうとしているからだと思うんですが。

※ ※ ※

16位: Blonde (Frank Ocean)

発売年: 2016年 ジャンル: コンテンポラリーR&B

この手のサウンド、2010年頃から流行ってましたよね!
だいたいがR&B関連は聴かないので、このアルバムもさらっとなぞったくらいです。
この雰囲気を味わいたいのなら、僕ならWashed OutとかToro y Moiとかのインディーズのチルウェイブの方にいっちゃってたかなぁ。

あくまでもサウンド面だけの話なので、歌詞などの文脈だとまた評価が違うんだと思いますが、今回は一切無視しています。


※ ※ ※

15位: (What’s the Story) Morning Glory? (Oasis)

発売年: 1995年 ジャンル: ロック

ええ!!?
という感じです。
このアルバム、というかOASIS自体がポップで取っつきめちゃくちゃいいと思うんですけど。
このアルバムも1曲目から名曲揃いですよね。

ただし個人的には彼らは少し後の世代なので、めっちゃいい!!とハマるほど聴いた訳ではないんですが。
この手のアンセムソングは適切な年代で出会うべき音楽なんですよね。
このアルバムがリリースされた時はすでに30歳過ぎてましたから、やっぱり違いますよね。

※ ※ ※

14位: Music from Big Pink (The Band)

発売年: 1968年 ジャンル: ロック

これも分かります。
「なんだか地味でよく分からない」パターンですよね。

僕はこのアルバムは2つのカバーから知って好きになりました。

まず、「I Shall be released」はトム・ロビンソン・バンドがカバーしていたバージョンで知ってなんてかっこいい曲なんだと。
RCサクセションもカバーしてましたね。
それから「The Weight」は桑田佳祐がソロで嘉門雄三名義で出したカバー曲ばかりのライブ盤があって、そこで知りました。
なんともいなたいリズムがあーアメリカンロックだぁ、という感じでもう良かった。

なので、このアルバムもその流れでかなり早くから聴いてました。

※ ※ ※

13位: There’s a Riot Goin’ On (Sly & The Family Stone)

発売年: 1971年 ジャンル: ファンク

これが「良く分からない」というのは単にジャンル全体として聴いてないってことじゃないんでしょうか。

それから確かにこのアルバムはブラックファンクからイメージするド派手サウンドを期待すると密室感が濃厚で「あれ?」と肩透かしになってしまうかもですが。

でも、プリンスの『Parade』とか好きなら多分入りやすいと思うし、
スガシカオのファンなら2枚目『Family』とかもこの辺りの影響大だと思うのできっと好きになると思うんですよね。


※ ※ ※

12位: Nevermind (Nirvana)

発売年: 1991年 ジャンル: グランジ

このアルバムは東京に上京してきた頃の記憶と重なっています。
渋谷のタワーレコードがまだ今の場所とは違うところにあった頃、近所に三角交差点の頂点に派出所があったような。。

日曜に渋谷へ出掛けてタワーレコードに行った時にかかっていた曲が変なコード進行だけど妙にキャッチーで耳に残るので、レジカウンターにジャケットを見に行ったらこのアルバムでした。
ジャケットもなんじゃこりゃ?だし、曲もヘンテコなギターリフでしたよね。
店員さんにこれ誰ですか?って聴いたら、最近売れてるバンドでグランジってジャンルだって教えてもらいました。
この時は買って帰らなかったんですが、後でやっぱり手に入れました。
僕にとっては神アルバムの1枚です。

※ ※ ※

11位: Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band (The Beatles)

発売年: 1967年 ジャンル: ロック

マジか?!
なんでこのアルバムの良さが分からないんだぁぁあああ!
って絶叫しちゃいます。

中1で同じクラスになった子の家に遊びに行った時、高校生のお兄さん(とおそらくお父さんも)がビートルズ大ファンで、レコードが全部揃っていたのでよく聴きに行きました。
その時にこのジャケットもしげしげと見て、あ、マリリンモンローだ、とか、モハメドアリだ、とか、有名人当て合いごっことかしてました。

まぁアートワークも収録曲も全てひっくるめてコンセプトアルバムのハシリで、とにかく名盤です。
「Lucy In The Sky With Diamonds」と「Being For The Benefit Of Mr. Kite!」が当時好きでした。
若い時からヘンテコな曲が好きだったんですね。
そうか、まるでインドな曲があったり、ヘンテコな曲が多いから「分からん」ってなったのか!

※ ※ ※

ということで、20位から11位の「良さが分からない名盤」でした。
なかなか名盤揃いでしたね。
上位ベスト10はどんな名盤が分からないのか、自分でも楽しみになってきました。


<了>

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