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読書は一期一会〜2023年11月分

「読書は一期一会」というタイトルで、毎月買った本を紹介する月例noteを投稿しています。
11月に購入した雑誌・Kindle以外の紙書籍を紹介します。今月は15冊です。



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「知らなきゃいけないアパレルの話 ユニクロ、ZARA、シーイン新3極時代がくる!」河合拓(ダイヤモンド社)2022

特にアパレル業界関係者という訳でもないのだが、業界モノは割りと好きでたまに読んでいます。
この本は実は図書館で見つけて読み始めたところ、とても面白いので手元に置いておこうと購入した本です。
著者の河合拓さんという方は経営コンサルタントで、特にターンアラウンドマネージャとして企業と事業の再生が得意な方のようです。

この本では冒頭から知らなかったことが書かれていて驚かされる。
「本書のテーマであるアパレル産業にいたっては、100億枚以上の隠し在庫が眠る。」
え!そうなんだ。なのにも関わらず、そうした本当の課題には目を向けずに、
「毎年市場規模の倍の量の商品を投入し、余剰在庫を積み上げ、現金を減少させている」らしい。
まさにデスマーチ。分かってはいるけれど、目を瞑ってみんなで渡れば怖くない。気づいた時にはもう手遅れ。
昔からの日本の悪いところじゃないか。
「こうして産業は崩壊する、という過程や構造、現実を詳述して」いかにそうならないようにするのか、を考えるためのヒントを示してくれている。
アパレル産業の話を書いているようだが全ての業界・産業に関係する話じゃないかという必読書だと思います。

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「M-1 はじめました」谷良一(東洋経済新報社)2023

こちらは打って変わってお笑い業界の話。
M-1 グランプリをはじめた元吉本興業の谷良一さんが当時の裏話を全て書いた本ということで評判を呼んでいる本です。
これも実はお笑い業界だけの話ではなく、
「海の物とも山の物ともつかぬ新規プロジェクトのはじまり」にまつわる全ての業界に通じる話だと思います。
これまで新規事業を自分の主戦場だとして主に手掛けてきた僕にとっても、とても興味深い本ではないかなと読むのが楽しみです。

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「浅生鴨短篇小説集 たった二分の楽園」浅生鴨(左右社)2022
「浅生鴨短篇小説集 三万年後に朝食を」浅生鴨(左右社)2023
「どこでもない場所」浅生鴨(左右社)2018

浅生鴨さんの本が3冊です。
短篇集が2冊とエッセイが1冊。
本当は浅生鴨短篇小説集はもう1冊あるはずなんですが、売ってなかったので。。
ところで、浅生鴨っていったい誰なんだ??
不勉強ながら、正直現時点でもよく分かっていません。

最初の出会いは新宿紀伊国屋書店本店。
知人との待合せまで時間があったので、何か面白い本をないかなと紀伊国屋書店に立ち寄った時に、面出しされていた新刊の短篇集「三万年後に朝食を」を見つけました。
まず装丁のイラストに惹かれて本を手に取りました。
村上春樹さんの装丁でも有名な佐々木マキさんのようなアメリカンポップアートな感触のイラスト。
そして、帯に書かれた「実験小説」という単語。
もうこれだけで、なんとなくアンテナにビビッと来ました。
この本はきっと面白いに違いない。

早速その新刊を購入して帰宅してから、これまでにも何冊か短篇集やエッセイ集が出ていると知って残りの2冊も購入したという次第です。

続々と得体のしれない(褒めてます)新しい作家さんが出てきてたの楽しいなぁ。

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「ゼッタイ! 芥川賞受賞宣言-~新感覚文豪ゲームブック~」佐川恭介(中央公論新社)2023

この佐川恭一さんという作家も新しい人ですよね?
この人も未だに得体の知れない作家さんです。
一昨年に出版された「ダムヤーク」(RANGAI文庫)という不思議な装丁の本をたまたま書店で見かけて購入したのが最初の出会いです。
なんだかよく分からないけれど病みつきになる。
そんな印象をその時には持ちましたが、たまたま今作も何かの書評で見かけて
「ん?佐川恭一、、、、聞いた覚えがあるな」
そして今作はゲームブックだというじゃないですか。
大体がゲームブックが何かよく分かっていないですが、
読み進むにつれて提示される選択肢を選んでいくとストーリーがどんどん枝分かれしていってあげく結末は人によって異なる、
そんな感じですよね。
いわばテキストのロールプレイングゲーム的な?
ゲームを普段あまりプレイしないのですが、小説がゲームになるなら読んでみたいなと。
しかも、芥川賞受賞を目指す作家が主人公のロールプレイングゲーム。
面白そうじゃないですか。
正月休みにもってこいかも。

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「カーテンコール」筒井康隆(新潮社)2023

「筒井康隆さんの最後の作品集になるだろう」
そんな帯を見たら買わない訳がないじゃないですか。
なにせ、図書館に通って自分で本を選んで読み始めた小学校高学年から中学生の頃、筒井康隆「時をかける少女」や眉村卓「なぞの転校生」「ねらわれた学園」などのジュブナイル系SFを夢中になって読みました。
そして、筒井康隆作品の奥深く大人向けの作品に入っていき、中学生が読んでもいいのかなというようなものあり、少しどきどきしながら読んでいたのを覚えています。
そうした最初の本との出会いがあったので、小説世界は何でもありというこれまでの読書体験のよい入口だったと思っています。
正座して謹んで読みたいと思います。

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「Q」呉勝浩(小学館)2023

「爆弾」「スワン」「素敵な圧迫」ときて、何を読んでも面白い、向かうところ敵なしの呉勝浩さんの新作。
どんと書店で陳列されたその分厚さだけで「買い!」です。
簡単でごめんなさい。
でも、そういう本です。

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「緑の歌 - 収集群風 上」「同 下」高 妍(KADOKAWA)2022

これはどうやって知ったのかなぁ。。。。
そうだ!TBSラジオ「アフターシックスジャンクション」で紹介されていたんだと思います。
日本のシティ・ポップ以前の音楽からインディーロックを愛する台湾・台北在住の主人公が音楽や恋愛を通じて成長していく青春ドラマ。
もう読むしかないですよね。
しかも、12月から働く会社が台湾とは遠からぬ関係があるので台湾の若者文化をもっと身近に感じるためにという理由もあります。

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「日本の会社員はなぜ「やる気」を失ったのか」渋谷和宏(平凡社新書)2023

今月は新書が多め。
新書はワンテーマをサクッと知りたい時に重宝します。
この本は津田大介さんのYoutubeチャンネル「ポリタスTV」に著者の渋谷和宏さんが出演されて紹介したいたように思います。
個人的には「やる気」を失ったことはないのですが、最近の若い人を見ていると「やる気がない」訳では無いですが、我々世代とは違う諦め感というようなものを感じていました。
この数十年で世界からどんどんと遅れを取っていく日本社会。
それを自民党政治という観点とは違う視点から解説してくれるんではないかと期待しています。

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「高学歴難民」阿部恭子(講談社現代新書)2023
「高学歴親という病」成田奈緒子(講談社+α新書)2023

2冊一緒に紹介します。
これらの本は、近親で大学を中退するということが相次ぎ、これまで
「高校を卒業して大学へ行くのが当然のこと、自分もそうやってきたし、子どもたちもそうあるべき」
という自分の考え方が、本当にそれは正しいのか?という考えるきっかけになる本はないかなと探していて出会った本たちです。
特に阿部恭子「高学歴難民」はこれもラジオで紹介されていて、そんな本があるんだ、では読んでみないと、と思って書店へ行き隣にあった「高学歴親という病」の山中伸弥教授の推薦オビにも目が行き2冊合わせて買って帰りました。

決して、大学へ行くことイコール高学歴とは思わないですし、自分も関西のぼんくら私立大出身なので高学歴だとは思っていないですが、それは自分の周りがみんな大卒だからであって、もっと広く見渡すとひょっとすると大学へ行くイコール高学歴かもしれないですし、そうじゃない人達が幸せに暮らしていないかというと、そんなことはないかもしれません。
きっと自分もなんからのバイアスが知らず知らずにかかっていて、それが子供たちには呪詛として機能する、そんなこともあるのかもしれないとも思います。

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「世界のニュースを日本人は何も知らない 4」谷本真由美(ワニブックス)2023
「激安ニッポン」谷本真由美(マガジンハウス)2023

こちら2冊一緒に。
May_Roma(めいろま)さんとして X(Twitter)などで以前から発信されている谷本真由美さんの著書です。

めいろまさんのアカウントはTwitterをはじめた頃からフォローしていたのですが、この数年はあまりツイート(今はポスト?)を見ることはありませんでした。
知らずにフォローを外していたのかな。。

最近、またちらほらとお目にかかる機会があり、「世界のニュースを日本人は何も知らない」の新刊告知のツイートを見て、そうか著作を出されているのかと。
さらに新書コーナーで目にしていた黄色い目立つど派手な表紙と「激安ニッポン」という刺激的なタイトルの谷本真由美さんがめいろまさん本人だったのか、と気付きます。
実は「激安ニッポン 著者:谷本真由美」と見かけた時、日本ラグビー協会理事をされていたり、大阪知事選にも立候補されていた大阪のオバちゃん谷本真由美さんだと勘違いしていました。
「へぇ、あの谷本真由美さんがこんな本を書いているんだ、結びつかないな」
それもそのはず、谷本真由美違いでした、失礼。

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さいごに

今月購入した本は15冊とちょっと多めでした。
11月は会社を退職して次の職場への出社まで2週間ほどぶらぶらしている時間があったからですね。
今後は散財をより一層慎まねば。
でも、正月休みに読みたい本もたくさんあるしなぁ。

それでは!


<了>

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