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格好いいビッグバンド見つけた〜廣瀬真理子とパープルヘイズ

新宿ピットインのストリーミングをチェックしていたら、気になる名前のビッグバンドのライブがアーカイブ配信されていたので観てみたら、これがまぁどえらい格好よい。

「廣瀬真理子とパープルヘイズ」

作曲とコンダクターの廣瀬真理子さんが率いるビッグバンドだ。

ビッグバンドを率いる女性コンダクタといえば、秋吉敏子、カーラ・ブレイ、マリア・シュナイダー、あと日本の。。。思い出せない。
あまり数が思い浮かばないのだけど、男性率いるビッグバンドと比べるとやっぱり華があるというか存在感がある。
男女で話するのは最近の風潮としてあまりよろしくないのは分かっているが。。
特に日本のビッグバンドというと、大箱のキャバレーお抱えバンドと揃いの衣装、ジャズだけじゃ飯は食えんと演歌や歌謡曲のオケでメジャーデビュー、そんな昭和のイメージが強烈で(全くの偏見です、すみません)。

そもそもビッグバンド(ところでジャズオーケストラとの違いって何だろう?)って少なくないか?
20人近くのメンバーを率いてとなると練習場所やギャラの問題などコストがかなり掛かるだろう。

そういえば、日本の学校では吹奏楽部が相当に盛んなイメージがあるけれど、大人になってからもビッグバンドで吹いてます!って人はそんなに見かけない気がする。
これがギターやベースになると、学生時代にバンドやっていたんで、今も会社の人とバンドやってますはよくあるんだけど。

じゃぁ管楽器のプレイヤーが少ないかというとそうでもなくて、以前会社でパーティ用の余興のバンドを組んだ時に、ホーンセクション欲しいね?ってなって探したら、あっという間にテナーサックス、トランペット3本、トロンボーンが見つかったことがあって、隠れ吹奏楽経験者って多いんだ、と思ったことがある。

やっぱり練習場所の問題なのか?
集まって練習以前に、1人で練習するにも音が大きいしな。
あとは管楽器はやっぱり奏法の鍛錬がかなりありそうなので、音楽で食っていくぞ、という人以外は完全にリタイアしてしまう世界なのだろうか。

そんなことを考えていたら寄り道してしまったけれど、パープルヘイズだ。

パープルヘイズというとジミヘンしか思い浮かばないのだがビッグバンド?
ジャズのビッグバンドではなくてロックをやる?

このバンドは2枚CDを出しているみたいで、公式サイトもあった。
「モスラ・ジャズ」という形容されるジャズに収まらない音楽を奏でる特殊編成のビッグバンドということだ。
確かに、ジャズのビッグバンドにもギターはいるが、このバンドではギターはディストーションでバリバリ歪ませて速弾きもするし、ほとんどロックギターだ。ドラムとエレクトリックベースの3人だけ聴いていると普通にロックバンド。
ピアノの人はシンセサイザーも弾いているし、弦(バイオリン)もいる。
ボーカルの女性もいて、ちゃんと声楽をやっていたような相当上手い歌い手さんだし。
なんといっても、衣装がバラバラで各自自由というのがいいじゃないか。

演奏する曲も、ジャズのビッグバンドとはかなり毛色の違う一風変わった(褒め言葉です)曲ばかりで、かといって現代音楽のような難解さはなくて、これはジャズロックサイケモダンミュージックとでも表現する、いやラベリング不可能な、廣瀬真理子ワールドなんだろう。

1曲「微分音」をふんだんに使った曲が演奏されて、なんとも気持ち悪い。
フレット音痴というかチューニングが狂ったような、でも完全に音痴な訳でもない不思議なニュアンス。
MicrtotonalでYoutubeを検索するとたくさん出てくるからそんなに無茶なものでもないんだろう。
絶対音階持っている人ってこれを聴いても(演奏していても)大丈夫なのか?心配になってしまった。
とにかく、この1曲だけでも実験を実験だけにしないでビッグバンドで整合性を保たせるという、かなり攻めたアプローチだな、という印象もあった。

今度どこかでライブがあるようだったら、是非観に行きたいと思った格好いいバンドでした。

<了>

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