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読んで、観て、何倍も楽しめるAppleTV+配信『ザ・ビートルズ:GET BACK』

アップルの動画配信プラットフォーム「AppleTV+」、皆さん観てますか?

動画配信のサブスクがいっぱいあって目移りしちゃいますが、AppleTV+が配信しているオリジナルコンテンツはNETFLIXと比べると種類こそ多くないですが、どれを観ても外れがないサービスだと個人的には評価しています。

また、iPhone、iPadやMacなどをAppleまたは正規販売店で購入すると1年間または3ヶ月間無料で使えますので、その期間中に気になるコンテンツを一気に観てしまうのもいいかと思います。

僕も最初はMacbook Proを購入した2020年に1年間無料だったので、それ以来サブスク会員になっています。

Apple TV+は2020年10月からApple Oneという抱き合わせの統合されたセット割のようなサブスクリプションプランになっていて、Apple Music、iCloudストレージ、Apple Arcadeなども付いています。
iPhone/iPadユーザならiCloudストレージも標準だと足りなくなってくるので、合わせて購入してしまうのがお得です。

さて、そんなApple TV+のお送りする全世界的に話題のおっさん(&おばさん)ホイホイ的コンテンツに『ザ・ビートルズ:GET BACK』があります。

 ロード・オブ・ザ・リング3部作のピーター・ジャクソン監督が手掛けるドキュメンタリー作品です。
その昔、1970年に前身となるようなドキュメンタリー『LET IT BE』という作品がありました。
僕も大昔にテレビ放映された時に観た覚えがありますが、公式には公開禁止になったのか全く見かけることがなくなった作品です。

ビートルズが1969年1月に行った「ゲット・バック・セッション」と、最後のライブ・パフォーマンスとして有名な「ルーフトップ・コンサート」の模様を記録したもので、まさに今回の『ザ・ビートルズ:GET BACK』と同じ映像素材が使われています。

ですが、1970年版は81分に編集されたもので、おぼろげな記憶によると、特に「ゲット・バック・セッション」がもはやビートルズがバンドとしては体をなしていなかったバラバラの状態だったこと、しかも新曲もまとまらず煮詰まっていてギスギスして痛々しい姿だけが記憶に残るようなものでした。
「あぁ、観なきゃよかったな」という後味の悪さというか。

ところが今回のピーター・ジャクソン版は60時間超えの未発表映像や150時間超えの未発表音源の素材から念入りに編集・構成した作品となっていて、「Part1:157分、Part2:174分、Part3:139分」とトータル470分、8時間弱にもおよぶ作品となっています。
つまり当時のバンドの様子がほぼ分かるようなものになっていて、
先の「LET IT BE」で観られたようなネガティブな空気になったシーンもありますが、それよりも久しぶりに4人で集まって音を出して
「やっぱり、俺たちバンドだぜ、バンドっていいな!」という雰囲気もあり、何とか良いものを作ろうとそれぞれのやり方で何とかしようとしている姿(特にポールの奮闘ぶりが涙ぐましい)がしっかりと記録されています。

当時の話になるとよく「ジョンがいつもヨーコと一緒でスタジオにも連れてきていた」という話がアンチ・ヨーコのネタの1つとしてよく引き合いに出されていましたが、この作品を見ると他のメンバーも恋人なんかを連れてきていることが分かります。ポールはリンダを連れてきますし、ジョージなんて 素性の知れないインドの僧侶!を連れてきていて「あれは誰だ?」なんてメンバーに言われてます。

さて、そんな『ザ・ビートルズ:GET BACK』を観ていると知っている会話もちょくちょく出てきます。
昔に観た「LET IT BE」の記憶はほとんど無いはずなのにおかしいな、と思っていてふと気づいたのが「ゲット・バック・ネイキッド」という書籍です。
日本のビートルズ研究の第一人者でもある藤本国彦さんが著者で、2020年5月に第一刷が出版されています。

本棚の奥から引っ張り出してきて、読み返し始めたところですが、この本も『ザ・ビートルズ:GET BACK』と同じ題材を扱っていて、
1969年1月にゲット・バック・セッションで集まり、ルーフトップ・コンサートに至るまでの22日間の様子を1日づつメンバーの会話を再現している力作です。
まるで、『ザ・ビートルズ:GET BACK』ドキュメンタリー作品の副読本じゃないかというようなものです。
ドキュメンタリーだけだと背景や状況が分かりにくいシーンも、細かく日を追って解説されているので、誰がどういう心境でどういう行動・態度になったのか、などが手に取るように理解できます。

この本を読み終えたら、もう一度『ザ・ビートルズ:GET BACK』を最初から観直してみようと思っています。

書籍のテキストと映像作品と、読んで、観て何倍も楽しめる『ザ・ビートルズ:GET BACK』
ビートルズファンの方もそうでない方も、AppleTV+に加入して是非楽しんでみて下さい!


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