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経営理念は、何故、組織に浸透しないのか?

先日、若干、思いつきっぽく始めた、企業内診断士の問題意識に上ったことを書く「企業内診断士が思う、組織の課題」シリーズ。青色申告の結果が、まだ来ないので、もうちょっと継続しようと思います。

そして、今回はずばり、「経営理念は、何故、組織に浸透しないのか」。

これは、診断士なら、自分の所属組織で、または顧問先で一度は直面することではないでしょうか?

会社のイベントや朝礼で、「経営理念」を、何度言ってもダメ。ポスター作っても、会社のあちこちに貼ってもダメ。誰も覚えて、それに基づいて行動しようなんて思ってくれません。

むしろ、「みんなそれを理解して、組織に浸透して、それに基づいて行動しています!」、なんて会社の方が珍しいかと。みんな苦労しているから、オリエンタルランドやスターバックスの成功事例が、本になったりするんですよね。

自分も、正直に言うと、会社に入って20年くらいは、「経営理念」なんて、気にも止めてませんでした。ちなみに、わが社の経営理念は、

基本理念(使命):私たちは情報サービスを通じて人と社会の豊かさに貢献する
ビジョン(将来):すべてのステークフォルダから選ばれる企業になる

某中堅ITベンダーの例

何て感じです。意識し始めたのは、いわゆる部門長になり、組織の結果に責任を持つようになってからですかね。組織の方向性とかを考え始めてからだとと思います。

では、何故、「経営理念は、何故、組織に浸透しない」のでしょうか?


これはあくまでも、個人的な感想ですが、一言で言うと、「自分たちに関係ないから」ですね・・・・・・・・。もう少し、具体的に書きましょう。

1.評価に関係ないから

コトの是非は置いておいて、実際、評価と関係していると思ったことはありません(キッパリ)。わが社もそうですが、多くの企業が、人事評価に際して、採用しているのは、「目標管理制度」ですよね。
期初に、上長と面談して、自分の目標を設定して、中間評価をしながら、賞与・人事の評価時に活用する、そんな運用になっているのではないかと思います。
そして、その目標には、「経営理念」は一言も出てきません。自分の評価との関係性が低ければ、意識は下がります・・・よね。

2.仕事の内容とは関係ないから

自分はITベンダー、いわゆる「受託型ソフトウェア開発」会社で、ITコンサルをやってます。そして、ITコンサルの仕事は、お客様の課題を解決して貢献するためにやっています。更に言えば、ITベンダの仕事も、お客様に貢献するためにやっています。更に更に言えば、おそらく多くの組織の方々がやっている仕事は、みんな、お客様に貢献するためにやっているんですよね。
ですから、「私たちは情報サービスを通じて人と社会の豊かさに貢献する」と言われても、当然すぎて、仕事の内容と関係しているとも思えません・・・よね。何をやっていても、「経営理念」に行きつくなら、仕事の内容とは直接関係ないんだ、としか思ってませんでした。

3.自分のスキルと関係ないから

ITコンサルをやっていれば、コンサルタントとしての立ち振る舞いは求められますが、「経営理念」に基づいた立ち振る舞いを求められることはありませんでした。
あるのかもしれませんが、「すべてのステークフォルダから選ばれる企業になる」ことは、ある意味、社会人として当然のことなので、当たり前すぎて、改めて意識することなんてありませんでした。

結局、「『経営理念』なんて、当たり前のことだから、改めて意識することではないでしょ。」ということなのだと思います。

とはいえ、「経営理念を、組織に浸透させること」が大切なのは、このブログを読んで頂いている方には、「釈迦に説法」・・・ですよね。

じゃあ、どうやって、「経営理念を、組織に浸透させるのか?」は次回に書かせてもらうわけですが、併せてちょっとだけ宣伝を・・・ww
中小企業診断士の皆様と一緒に、「経営理念を、組織に浸透させるのか?」を考える理論政策更新研修を、開催させてもらいます。

興味があれば参加してみてください。

よろしくお願いいたします。

ITベンダに勤務する、中小企業診断士です。得意のITを活かしつつ、常に楽しく前向きに、中小企業の方々と一緒にいろいろ考えていきたいと思っています。