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『複業を語る』その8:補助金申請、手伝ってみた

さて、企業内診断士の副業・複業の実態について語る、シリーズ『複業を語る』。今回も副業・複業の実態を赤裸々に語っていきたいと思います。

今回は、最近、あちこちで聞く、「●●補助金」の申請支援をやった話を書かせてもらいます。

ただ、「補助金ってなに?」とか、「申請書を書くコツは?」などというお話は、自分は専門ではないので、他の診断士の方にお任せします。また、「何の補助金の支援をどうやったのか」ということについても、守秘義務の観点からやめておきます。
今回は、実際に自分が補助金の申請支援をやってみて、「複業としてやる際に」気を付けたほうがいいな、と感じたことをまとめたいと思います。

1)作業範囲について

ご存じな方も多いと思いますが、補助金は、お金が実際に交付されるまでに、いくつかの段階があります。

採択:申請事業が補助金の趣旨に沿っており、事業化推進のめどがついていると、事務局が判断した段階
交付決定:事業において使用する経費が、補助の対象として適切であると、事務局が判断した段階
確定検査:遂行された事業が申請内容と合致しており、経費が適切に使用されたと、事務局が判断した段階

更に言えば、補助金交付後に、事業の実施状況の報告義務がある補助金も存在します。

しかしながら、申請支援を開始した段階で、どこまで支援するのかが明確になっていない事案が時々あります。

支援する立場からすれば、交付決定、確定審査まで支援を続けるとなると、かなり長期間になります。また、採択された以降は、支援サイドでできることは限られますので、手離れが悪くなるのは避けたいところです。
一方、支援される立場からすれば、お金が実際に交付されて初めて「支援」の意味があるので、最後までやってほしいというのが本音でしょう。

どの段階まで支援するのか、正解はないのですが、支援作業の開始前に、どこまでが範囲なのかは、明確にしておく必要はあるでしょう。


2)役割分担について

補助金の申請支援をする場合、複数メンバーでチームを作って実施するケースが多いと思われます。そして、補助金申請をするには、たくさんのプロセスがあります。

  • 申請書作成に必要なインプットをそろえる。

  • 事業計画を検討・決定する。

  • 事業計画に基づき、申請書を作成する。

  • 申請書以外の必要書類を準備する。

  • 実際に申請を行う。

しかしながら、誰がどのプロセスをやるのか、あまり明確にならないまま、プロジェクトがスタートすることが、多々あります。特に申請書を作成する人だけは決まっているのですが、それ以外のアウトプットを誰がどう準備するのか、そもそも必要なインプットを誰がどう用意するのかが明確になっていないことが多いです。

想定されるインプット・アウトプットを書き出して、それぞれ、誰が準備するのかを確認する、また、すぐには決めなくても、いつまでに決めるのかコンセンサスを取る、程度の作業はやっておいてもいいかなと考えます。

3)報酬について

支援をすれば、報酬が発生することもあるでしょう。よく、「10%の成功報酬」的な話を聞くことがありますが、意外と具体的な金額が明確でないことがあります。

  • 10%の分母は申請金額なのか、それとも交付決定金額なのか、どちら?

  • 金額は税込み、税抜き、どちら?

  • 採択の是非にかかわらず支払われる「手付金」は、あるのでしょうか、ないのでしょうか?また、「手付金」は10%の中に含まれるのでしょうか、含まれないのでしょうか?

お金の話は、切り出しにくい雰囲気が往々にしてありますが、気持ちよく仕事をするためにも、明確にしておく必要があると思います。

あまり細かいことを言うのも野暮に聞こえますが、コンサルのプロとしてお仕事をするのであれば、作業範囲・役割分担・報酬については、作業をしながらでも構いませんので、はっきりすることをお勧めします。

あれ?なんか今回は、妙に固くなってしまいました・・・。

ITベンダに勤務する、中小企業診断士です。得意のITを活かしつつ、常に楽しく前向きに、中小企業の方々と一緒にいろいろ考えていきたいと思っています。