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顧問こんもん・・

「今日先生来るのけ?」

「ああ来るよ」

「なんや・・今日はちゃんとしなきゃなあ・・」

中学校の頃部活はソフトテニス部だった。しかし毎回このような会話から部活が始まっていた。とにかくキャプテンからして顧問の先生が来なかったらサボってばかりだったのだ。隣の女子テニス部は先生が来なくてもしっかり練習していたのでそれなりに強かったように思える・・

何しろ練習していた思い出よりサボって遊んでいた思い出の方が強い。何しろ練習場、コートに誰もいない。キャプテン自ら先生がいないと外に散歩に行ったり、自分たちで何かゲームを作って遊んでいたり何かめちゃくちゃだった。ちゃんとしている時もあったが遊んでいた思い出ばかりが蘇る。そんなもんだから中学校最後の大会もほとんどが一回戦敗退だった。

中学を卒業して十年以上経った時、ふと練習していた中学校のテニスコートを見に行った。そうしたらそこにはコートはなく更地になっていた。テニス部は少子化で何年も前に廃部になりテニスコートは使用目的がなくなり更地になっていたのだった。寂しい気分にはなった。そしてまた中学校の同級生に会いたくなった。顧問だった先生は新聞で市内の中学校の校長先生になっていた。先生ならあの時の自分たちの部活を振り返ってどう思っているのか聞きたくなった。





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