アラサー発達障害者、就労移行支援に通う③(体験入所~入所編)
就労移行支援体験記①の続きとなります。お読みでない方は下記アドレスから解説編をお読みください。
体験入所の申し込み
まず、私の障害である発達障害を専門とする就労移行支援事業所をインターネットで探し、隣町にあったA事業所が該当することを知り、A事業所に、体験入所及び事前相談を申し込みました。
体験入所は事前に市役所で手続きする必要はなく、原則無料です。事業所側と直接やりとりすればそのまま体験入所できます。
体験利入所の前後で、利用希望者の状況確認として、診断名や特性、人生経験、生活上の困難、今後の希望などを尋ねられます。そのため、今生活上困っていること(家庭内、これまでの職場での体験)や今後できるようになりたいことなどをメモしておくと非常に事業所とのやりとりがスムーズになります。
なお、ご家族帯同で事業所に出向く際は、当事者とご家族の両方の視点をしっかり支援員に伝えましょう。(人間関係が著しく悪化している場合は除きます)
障害だから仕方ない、と当事者のために家族が我慢し続けると家族が疲弊して当事者のケアができなくなり、通所中に当事者とご家族が共倒れになるリスクになります。利用開始から就職まで1年以上かかる場合もあり、高確率で長期戦になるため可能なら(家族)カウンセリングを実施できる施設を選ぶと良いでしょう。逆に、家族ケアの重要性を分かっていない施設は選ぶべきではありません。
更に確認すべきなのは「実習先の選択肢」「支援プログラムの充実度」です。新設の就労移行支援事業所では、プログラム等は充実しているものの実習先が少ないケースもあります。その場合、自分で考えた合理的配慮事項を実習先で試してみたい、と思ってもなかなかできなくなってしまうことがあります。プログラムを魅力のポイントとして売り出す事業所は多くありますが、実習先の数についても注意が必要です。
また、資金不足や人材不足で専門知識や支援経験のある講師や支援員を雇用、定着させられず、福祉職未経験の新雇用者に簡易的な研修を施してだましだまし支援している施設があると聞いています。そうした施設では、そもそも支援プログラムの数が少ない、あっても深い人権理解や障害理解をしているとは思えないレベルの低質な支援内容になっていると思われます。体験入所では実際に施設の実態を見れる貴重な機会なので、しっかり施設内の様子を見るようにしましょう。
体験を通して、事業所と肌が合わないと感じたり他の施設と比較したい場合、最終日で利用契約書を交わさずにそのまま体験入所終了を支援員に伝えて下さい。他の施設と比較した後でも入所は可能です。
A事業所での一日
体験入所の申し込みをした後、A事業所の支援員さんに見守って頂きながら3日間上記のスケジュールで動きました。もし、体験入所中に体力・精神上の問題が生じた場合遠慮なく支援員に伝えましょう。相談すれば、スケジュールの内一部のみ参加という形にもできる場合があります。
基本的に、支援員に伝えればプログラムの途中離脱したり、見学に切り替えられるので無理しないようにしましょう。
朝礼では連絡事項の伝達やプログラム内容の確認、健康状態の報告が行われました。掃除では、各利用者に担当が振り分けられ、全員で掃除を行いました。
自習の時間は、資格の勉強をする人や障害についての概論書を読む人など様々でした。他、月に3回程度来るキャリアカウンセラーの方に相談する方もいました。
事業所の方針にもよりますが、基本的に開所時間はフルタイムの勤務時間より短め時間となっています。多くの場合、「就労の基礎となる生活習慣を身に着ける」ことが入所後の最初の目標になるので、体力や精神状態に不安がある方は、プログラムに参加できなくとも、決められた時間に施設にしっかり足を運べることをまず目指せばよいかと思います。
「就職」という最終目標に一足飛びに飛びつくのではなく、小さなことからでもできることを認めて、そこから足場を固めていくことが重要となります。(決まった時間に服薬する、就床起床する、定刻で通所する、趣味を継続する等)
※フルタイム勤務を目指す場合、最初は週3日程度の通所からスタートして、支援員との話し合いの下、徐々に4,5日と通所日数が増加していきます。最終的に週何日の勤務を目指すのかによって動き方が変化するので、そこを通所する中で支援員と決めていきましょう。
本入所したら
市役所で「サービス受給者証」を入手し、「X月Y日付で通所を開始する」というような「利用契約書」を就労移行支援事業所と交わせば本利用が可能となります。
解説編であったように、前年度の所得次第では、月々料金が発生する場合もありますが、通所をする前年度が学校の生徒、学生だった、引きこもりだった、入退院を繰り返していた、という場合まず料金はかかりません。
本入所後は、なるべく決められた日数に定刻通り通所、プログラム参加できるようにしていくことを目指します。それを(数カ月間~半年以上)継続した後、体調・精神状態の安定度や自己理解度(障害特性、配慮事項等)を支援員と検討した後実習参加となります。
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