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警告!この記事を読んではいけない33「戦いの道具の話」3<手裏剣、槍>

<1 刃物類・・・ナイフ、刀剣、手裏剣、槍など>

3 手裏剣

 手裏剣とは、忍者の武器とされています。忍者については、すでに世界的に認知されていますが、忍者の真の姿がきちんと伝承されている訳ではないようなので、一応、忍者の説明から始めたいと思います。映画や物語では、忍者は「闘う者」と認知されている場合が多いですが、実際の忍者は、その名の通り「忍ぶ者」であり、戦闘員というより「諜報員」でした。

その「諜報員」ですが、これも007を代表する映画のように、「派手な戦闘を行う者」のイメージが強いようですが、実際の諜報員は、そりゃあイザという時には戦闘するでしょうが、殆どの任務では戦闘とは程遠く「見つかってはいけない仕事」をする人たちです。

物語上で「諜報員」つまり「スパイ」を大変実際に近く描いていたのは小説とアニメの「ジョーカーゲーム」だと思います。あ、ただし、実写映画のジョーカーゲームは、あれはちょっと小節やアニメとは違うイメージですね。つまり「諜報員」の仕事の最優先事項が「見つからない事」なのです。

従ってその任務は大変地味なのであって、よほどの窮地に陥らない限り戦闘は行われませんし、戦闘を行う場合は窮地に陥った場合、つまり、見つかっちゃった場合、つまり、ヘマをやらかしちゃった場合なのです。従って戦闘するスパイって「カッコイイ」ぢゃなくて「ヘマの結果」なんです。

ああ、またどんどん本題から離れていってしまいました💦戻りまして忍者ですが、日本のスパイである忍者ですから、やはり「見つからない事」が最優先事項でして、忍者が戦闘しなくちゃならない場合は「ヘマやらかした時」なのであり、腕の悪い忍者の行為なのです。

それでも戦闘場面は、少ないけれども、ありました。そしてその最優先事項は「見つかっちゃたら、早く逃げ切る事」であり、相手をやっつける事ではありません。だって通信手段がない時代、情報は、人間が生きて持ち帰るしか方法がないので、生き残って逃げ切る事が最優先なのです。

そのために相手の追跡を逃れる手段、というか武器もありました。最も有効でよく使われたであろう武器は、マキビシです。あれを追跡中の廊下に撒かれると、追跡者の足に刺さって、追跡どころではなくなります。また追跡を逃れるためには、煙幕も有効であったと思われます。

マキビシも煙幕も効かない場合、あるいは使い切ってしまった場合は、ただひたすらに走って逃げるわけですが、中には忍者より足の速い追跡者もいたかもしれません。黙って逃げ続けるだけでは、追いつかれてしまう場合は、何らかの方法で相手の足を止める必要がありました。

ここで初めて、忍者と追跡者の間で戦闘が始まります。忍者も最優先事項は逃げ切ることですから、相手を殺す必要はありません。足を止めれさえすれば逃げ切れますから、戦闘の目的は相手の足を止める事です。少ない労力、短い時間で追跡者の足を止めるには、手裏剣は有効であったと思われます。

ああ、やっと手裏剣の名前を出せました。なので手裏剣はもともと、相手に致命傷を与えるための武器ではありません。足を止めればいいんです。そのためには、持ち運びやすい武器が良いです。致命傷を与えられなくても、小型軽量な方が、たくさん持っていけますし、手早く投げられます。

そう、手裏剣は手に持つ武器ではなく、投げる武器、投擲武器なのです。実際の手裏剣は、まっすぐ投げたつもりでも、まっすぐには飛ばなかったようです。命中精度にはばらつきがありましたので、だから複数を投げる必要がありました。複数投げるには、たくさん持っている必要があった訳です。

いろいろな形の手裏剣がありましたが、実際に作って投げ比べてみると、十字型の手裏剣が、まっすぐに飛び、相手の肉に深く刺さることで威力も大きかったようです。十字手裏剣てやつですね。日本の少年たちの憧れの武器、手裏剣のお話は以上です。

4 槍

槍は、長い棒の先に刃物を付けた武器です。長さはいろいろです。槍術と言って、槍を振り回す戦法がありますが、これに使う槍は短めです。それに対して、西洋ではファランクス、つまり密集隊です。日本では槍衾と言いますが、これに使う槍は長くて重くて、とても振り回せるものではありません。

槍術は習得が大変難しく、よほどの手練れでなければ使えない戦法です。そもそも殆どの槍は、大きくて重くて振り回せるようなものではありません。接近戦には向かない武器です。槍は長いので、相手との間合いを大きくとる事が可能ですが、素早い相手に、刃先より近い間合いに入ってこられたら、もう槍では戦えません。すぐに槍を捨てて、自分も接近戦用の武器を出して戦うしかないんです。

槍を振り回す技術は大変難しいので、達人は短めの槍を持って、振り回しつつ、敵陣を突破する事が出来たようです。しかし多くの練度の低い兵士は、槍を持たされると、ファランクス、つまり密集隊、槍衾です。これは、大きくて重い槍を持った兵士が横1列に並び、人の高さに槍を構え前進するという戦法です。

槍の刃先が横一列に並んでいるわけですから、徒歩や騎馬でこれを突破する事はまず不可能になります。練度の低い兵士も、長い槍を持たせて密集隊形をとることにより、強力な突破力の戦隊になる事ができます。

よほど腕に自信のある、手練れの兵士は、やや短めの槍を振り回す事を前提に戦闘します。この場合、槍の用法は、相手を突き刺そうとするのではなく、相手を叩き殺そうとする武器であったようです。考えてみれば当然で、狙いをつけて相手を突き刺すという用法、敵も味方も興奮して素早く動いている戦闘中に、冷静に狙いをつけることなど、出来たはずもありません。

それができるのは、取り回しの楽な接近戦用武器です。日本刀とか。なので、長い槍は、突きさすより、殴り殺すためには有効であったと思われます。大きくて重い棒がブンブン回っている中に、突入するって、なかなかできなかった事でしょう。

稀に槍は、投げる場合があります。しかしあんな大きくて重い物体を投げても、遠くの的に当たる確率は低かったと思います。当たれば威力は大きいですが、当たらなければなんてことないです。弓で引かれる矢は、速度が速いので回避は難しいですが、飛んでくる槍を回避するのは、それ程難しくなかったはずです。

今日は手裏剣と槍のお話をしました。次回は<刃物類>から離れ、いよいよ<銃>のお話に入りたいと思います。ああ、銃❣・・たまりませんね(危)

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