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前ニケーア教父・資料

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2017年7月の記事一覧

「諸原理について」序文 6-10章(オリゲネス)

(6章)

​悪魔とその使いたち、また敵対する諸力に関する、教会的宣明は、それらが実際に存在する、ということである。しかし彼らが何であって、どのようなあり方で存在しているか、それは十分明確には説明されていない。

しかしながら以下の考えは大半によって保持されている。つまり、悪魔は御使いであったということ。そして堕落者となったのち、できる限り多くの御使いたちを、自身と共に降るよう誘導したとい

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「諸原理について」序文 1-5章(オリゲネス)

(1章)
恩寵と真理とは、イエス・キリストによって成立させられたと信じ、また、それについて確固としている者たち、そして「私が真理である」(訳注:ヨハネ14:6) と彼自身が言ったことに従い、キリストが真理である、と認識した者たち、そのような者たちはみな、他のどんなところからでもなく、キリストの諸々の言葉と教え自体から、善く、また祝福された生に人を先導する、知識を引き出すのである。

そして、「キリ

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旧約リスト オリゲネス(c. AD 230)

http://www.newadvent.org/fathers/250106.htm

より。英訳からの重訳。

アレクサンドリアのオリゲネスは、アレクサンドリア学派の源流とも言える神学者であり、前ニケーア教父の最重要人物の一人である。

彼の旧約聖書リストが、カイサリアのエウセビオスの引用によって残されている。(『教会史』ⅵ.25)

ネヘミヤ書はエズラ書の第二に対応すると思われる。
なぜか十

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新約リスト ムラトリ断片(c. AD 2c)

http://www.earlychristianwritings.com/text/muratorian-greek.html

http://www.earlychristianwritings.com/text/muratorian2.html

より。基本的に英訳からの重訳。

ムラトリ断片は紀元200年ころに西方(おそらくローマ)で、また原文はギリシア語で、書かれたと考えられている。現存

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『諸原理について』第一巻 1章「神について」(オリゲネス)

http://www.newadvent.org/fathers/04121.htm

第1章 神について

(1)
ある人たちは、我々自身の聖書群の宣言に従ってでさえ、「神は[物]体的である」と言おうとするだろうということを私は知っている。その理由は、彼らの見解としては、モーセの諸文書のうちに「我々の神は燃やし尽くす火である」[申命記 4:24]と[言われており]、またヨハネによる福音のうちに「

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旧約リスト サルディスのメリトン(AD 2c)

http://www.earlychristianwritings.com/text/melito.html

http://www.newadvent.org/fathers/250104.htm

より。英訳からの重訳。

サルディス司教メリトンは、AD 170頃まで活躍し、世代的に使徒教父と思われる。メリトンはパレスチナ方面へ行って旧約文書の目録を調査した。メリトンの報告はカイサリアのエ

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