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独自研究メモ

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聖書を読んでて気づいたことや調べたこと、また教会の兄弟と議論したことのメモ。聖句引用は多くの場合は口語訳より。 ※思想や解釈には変化がありますが、いちいち過去の文章を訂正できない…
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2019年5月の記事一覧

[通読メモ]サムエル記下12章-列王記上1章

王子キルアブについて。

王位継承権者たちダビデの王位を継承するのは、順当に考えると長子アムノンであった。
しかしアムノンは異母弟である三男アブシャロムによって、妹を犯した復讐のため殺害され、
アブシャロムは王位簒奪事件を起こして司令官ヨアブに殺害される。(サム下3:2-6, 13-18章)

このような王家の混乱の中、王位継承権を争ったのは四男アドニヤと、ダビデの寵妃バテシェバの子ソロモン(サム

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[通読メモ]サムエル記上29章-下11章

今回は預言者ナタンを取り上げる。

名前ヨナタンは「ヤハウェは与える」だが、ナタンは「与える」という意味の名前。譲一さんと譲さんみたいな感じ(?)

実はナタンという名はダビデの治世以前では聖書中には出てこず、聖書中ではおそらく預言者ナタンが初出である。すぐあとにダビデとバテシェバの子、つまりソロモンと同父同母兄弟としてナタンが出てくる。(サム下5:14)

出自ナタンはエルサレムに入ったダビデの

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[通読メモ]サムエル上14-28章

ヨナタンとその周辺

今回はヨナタンを取り上げる。

【☆ヨナタンの聖書の中での立ち位置】ヨナタンは初代イスラエル王であるサウル王の長子であり(サム上14:49)、自分たちが死んだ後に新王朝の祖となることになるダビデ王を特別愛した人物である(サム下1:26)。
二人の重要な王の間に挟まれて、聖書中の歴史における立ち位置は脇役かもしれないが、僕は預言者ダニエルと並んで、このヨナタンを旧約聖書の中で最

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[通読メモ]サムエル記上1-14章

今回はサムエル記上の前半(1-14章)の通読箇所から、サムエルという人物についてまとめ。

サムエルとその周辺

【☆ラマタイム・ツォフィム(1:1)】サムエルの父エルカナの居住地がラマタイム・ツォフィムと紹介されている。七十人訳ギリシア語聖書では"Armathaim Sipha"となっている。カイサリアのエウセビオス(AD 4c)は新約聖書でイエスを埋葬したアリマタヤ(Arimathaia)のヨ

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