【朗読】雲の人【声劇】
☆所要時間:約2分
☆人数 :1人用
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山から山へ
渡り歩いてきた
風を求めて
岩山へ行くこともあった
森を求めて
緑が深い山へ行くこともあった
雲を求めて
高い山の頂へ向かうこともあった
本当は
無であることを望んでいるのに
無意識に、五感で感じられるものを得(え)ようとしてしまう
私はきっと
欲深い
何も欲しがっていないと言いながら
欲しい物を与えてくれるものの所へすり寄っていく
そして
きっと残酷だ
欲しい物が変われば
それを与えてくれる所へ向かうのだ
今までを
切り捨てて
そんな己の冷酷さを
僅(わず)かでも削(そ)ぎ落としたくて
また
歩く
誰の便(たよ)りも届かぬ雄大(ゆうだい)な地でならば
誰を傷つけることなく居られるだろうか
End
〜マコのひとりごと〜
自分の残酷さに愕然とする瞬間がある。
そんなこと平然とできる私は、なんて冷たいのだろうと。
生きてきた中で、何度もあったその瞬間。
思春期の頃は本当に悲しくて。
「最終的には自分が1番カワイイんだよ」
達観してるような、同い年とは思えない大人びた友だちにそう言われて、今まで信じてきた自分の信念みたいなものが、とても汚く薄っぺらい綺麗事に感じられたことを覚えている。
ちょっと重めで暗めな台本だから、ウケが良くないのは承知している。
でも、読んでくださった方の語りは本当に心に沁みて、何度も何度も聴かせていただいてます。
心の底から感謝( *ノ_ _)ノノ╮*_ _)╮アリガタヤー
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