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拙い読書感想文「あなたの人生、片づけます」垣谷美雨

初っ端から私事ではありますが、今年の春先から転職をしまして、お金をガンガン稼ぐというよりも長く安定して働きたいという思いから、色々な会社を見たうえで友人の紹介で中小企業の町工場で働いております。

休みの取りやすさを重視して転職活動をしましたが、収入は社会人になってから1番低い状況となっています。

どんなことでもトレードオフの関係がありますね。等価交換。

一人で過ごす時間が自動的に増え、自分自身の持ち物の精査をする機会も増え、いわゆる「ミニマリスト」であったり、その場の欲望のままに行動しないという考え方に触れていく中で今回の本を読む機会に巡り合いました。

大雑把なあらすじ

本書では片づけ屋・大庭十萬里が4人の依頼人のケースに対して、主に部屋の掃除や片づけを行っていくという話の進み方でした。

・不倫をしているOL
・妻に先立たれ娘に家事を頼りながら生活をしている木魚職人
・大きい家に一人暮らしをしている老女
・1部屋だけきれいな部屋が残っている家

この4つのケースでは、ゴミ屋敷や一見片付いていそうに見えるが実は不要物が溢れているといった散らかり具合の違いだけではなく、依頼者や片付いていない部屋に住んでいる人物の背景の問題が見えてきます。

この片づけ屋・大庭十萬里は部屋の片づけだけでなく、人生の片づけもしてくれるという人物なのです。

妻子がいる男性に振り向いて欲しくてかわいらしい後輩の真似をしようとして買ったものの履かずに溜まっている靴、

家事をすべて奥さんに任せていたので、亡くなってからも自分が普段使う服をいつまでも取り出しにくいところにしまっていたり、

いつか子供たちが帰省した時に困らないようにとここ数年誰も帰省していない家に物をため込んでいたり、

亡くなった長男の部屋をずっとそのままに残しており、残された家族に目を向けることができず他の部屋はゴミ屋敷化していたり、

ただただその場しのぎで部屋の片づけをするのではなく、なぜ物が多いのか、どこに問題があるのかを探って根本から解決していこうとする話でした。

この4つのケースすべてに共通することは片づけ屋への依頼は問題のある部屋に住む本人ではなくその家族が依頼しているということ。

しかも、4つのケースすべてで依頼人と本人たちは別々のところに暮らしています。

離れて暮らしている家族でもそうやって気づかってくれる人がいるというのは心強いことですね。

いきすぎたらありがたになってしまうのでしょうが。

(本書の登場人物たちも最初は迷惑そうにしていました。)

自分にあてはめて

本書では実際に生活していく上で、自分に当てはまることも多くありました。

僕はずっと1Kの間取りに住んでいるのですが、実家がないので学生時代の卒業アルバム等のいわゆる思い出系のものもすべて持ち歩いて引越しを繰り返しています。

本書ではそれを買った時はいると思って買ったものも今使うか使わないかで判断することの大切さを学びました。

最後のパートに出てきた息子を亡くしたお母さんたちの話の中で、

「子供が近眼になって眼鏡かけなきゃならなくなったとか、成績が落ちたとか、野球部でレギュラーになれなかったとか、そういったことが一大事じゃん。」

というセリフがあり、自分は今生きているだけで本当によかったなと感じました。 

人に迷惑を全くかけないで生きるのは無理ですけど殺人であったり他人を騙して利益を得ようとしたりしていないだけで十分全うに生きているなと思います。

あとはあからさまに敵意を持って人に接さないとか、人を見下さないとかすべてのものごとに感謝や尊敬の気持ちを持って過ごしていきたいものです。


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