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拙い映画感想文「PERFECT DAYS」
先週末に「PERFECT DAYS」観てきました。
プロ野球のシーズンが終わってテレビをつけることもなく、情報のノイズを消したいがためTwitterも辞めたので映画に関する情報はほぼ皆無でした。
数年前からかぜのたみさんという方のYouTubeを家事をしながら聴いているのですが、その中でこの映画の話がちょこっとでてきたので気になって観てきました。
https://youtu.be/CBvNmc-JtFA?si=rISnWKso71jZVPvA
(こちらの動画の56:33くらいです。)
どういう人が好きそうか
この映画はVlogやミニマリストなど生活系の動画が好きな方に好まれそうだなと思いました。
主人公の平山さんが淡々と仕事のある日とない日の日常をこなしていきます。
古いアパートで暮らし植物に水をやり缶コーヒーを飲みながら出勤中の車でカセットテープの音楽を聴き清掃員の仕事を終えたら銭湯で馴染みの客に会釈し駅地下の居酒屋で一杯やって夜は文庫本を読みながら床に就く。
休日はフィルムカメラで撮った写真を現像しコインランドリーで洗濯を回して部屋の掃除をし馴染みのスナックへ。
平山さんの日常を観ているのは誰かのVlogを観ているような感覚でした。
良い意味で。
登場人物について
平山さんは基本無口なキャラクター。
ただ、周りにいる登場人物が絶妙に濃い。
仕事場の後輩たかしはスマホを見ながら仕事をしたり時間やお金に無頓着などうしようもないやつだけど彼のことを慕っている友達がいる。
たかしの彼女候補?の女の子は「アタシ、レトロの良さもわかるんだよね。」と言わんばかりのサブカル女子。
家出してきた平山さんの姪っ子やその母親。
行きつけの居酒屋の大将やスナックのママ。
昼休憩の時に平山さんのことを不思議そうに見てくる幸薄そうなOL。
出てくるのは度が過ぎて変な登場人物ではなく、実際に自分たちの生活している周りにも居そうだなと思えるキャラクターばかりで彼らに愛着が持てました。
好きなシーン
通勤中にカセットテープで流れる音楽が好きでした。サブカルぶれました。
男1人で軽のバンに乗って仕事をしに行くというところも好き。
僕はなぜだか昔からそういうシーンに憧れがあります。
スーツでビシッと決めてオフィス街で頭よさそうに働くというよりも。
なので「まほろ駅前多田便利軒」の世界観もかなり好きです。
この映画で1番幸せそうだなと思ったのは居酒屋の大将。
毎回「おつかれ~」と陽気に平山さんに声をかけつついつものメニューを提供してくれます。
忙しい時間帯でもそれは変わらず「ちょっと待ってね!」と忙しいながらも楽しそうに働いている姿をみて羨ましく思いました。
好きなキャラです。
あとは姪っ子と銭湯に行ったとき。
平山さんが姪っ子と銭湯の番台の前で待ち合わせをしている時に後ろでにやにやしていた2人のおじいさん。
「お、いつものおっさんが若い娘連れてどういう関係や?」みたいな表情で後ろから2人を見ているシーンが面白かったです。
セリフなしでそう思わせることができる演出がすごいなと感じました。
この映画は爆笑するシーンはあまりないけれど銭湯のシーンみたいにクスっと笑えるようなシーンが多く散りばめられていて楽しかったです。
ラストシーン
ラストは平山さんが運転している顔のアップがしばらくの間映ります。
笑顔で涙を流している表情。
これは何を意味しているのか。
ラストの場面で結構長い尺を使ってのシーンなので何か意味はあるはず。
僕は平山さんは心のどこかで寂しさを感じているのではないかと思いました。
姪っ子と別れたときの涙やスナックのママの元旦那と話したこと。
あくせく働いて周りと比較され神経をすり減らす生活とは無縁な清掃員。
けれど、(これは予想ですが)自分1人を養うのでギリギリな収入。
自分の好きなことをして生きていくという選択の代わりに失った自分よりも大切に思える誰かと一緒に生活をしていくということ。
人と深く関わって生きていくことは心に温かさをもたらしてくれますが時には耐えられないほど辛いときもあります。
色んな意味で大切な人を失う可能性のある。
関係を維持するために常に働き続けなくちゃいけない。
最期のシーンは平山さんがいつものルーティンとは違う日々を過ごす中で色んな人と深く関わり生まれた葛藤のような涙なのでは?
と僕は思いました。
この映画とても面白かったです。
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