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イギリス10日目、書き殴り日記。

毎日自分に何が起きているのかを認識し切れないほどに色々なことが私の中に起きていて、ひとつき分くらいの出逢いと気付きと変化が1日に集約されているような24時間を10日分過ごしたので、日記のような形で駄文を連ねないと浦島太郎になってしまいそうで、書き殴るように文章を書くことにした。
日本に戻ったらまた時間を作って丁寧な文章を書きたいけれど、やっぱり渦中の文章にはそこでしか書けない生が詰まっていると思うしね。


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濃密で変化の多すぎる日々を送っている。イギリスに来て10日目、日本に戻るまであと4日。
言語の壁もそこまでストレスではないし、経済水準がそう変わらないので生活もほぼ同じだし、そもそも今回は仕事ということで来ているし、などで異国にいるという感覚にはあまりならないのだけど、多分この変化は、イギリスに居るからというよりかは、出会う人出会う人が素敵で愛することが上手だからなのだと思う。幸せ。


初日からここは、自分はここに居て良いのだと、自然に思える場所だった。そんな風に思えたことはこの2年くらい一度もなかった。なんだろうか。私は愛されて良いし、ここに居て良い。それは私だからそうなのではなくて、私も貴方もみんな、愛されていてここに居るべきだし、尊重されて然るべきだから。
これこそが、私が人生をかけて体現すると決めている「人間の尊厳のために」の意のはずなのだけど、そんな風にに自分を尊いものと思えるような所には最近は私は居なかった。多分ちょっと、かなり、辛かった。

そういうこともあって、”対話において、相手を尊重するために話すことができる人というのはなかなか居ないものだ”ということに、この日々で出会って言葉を交わした人から相対的に知った気がする。
“ポジショントーク”のような言葉でくくると分かりやすい気がするけども、自分が気持ち良くなるために誰かの悩みを利用する人というのは、存外多いのかもしれない。私がこの2年くらいで接していた“えらくてすごい”人の大半はこのタイプで、今ここで私に言葉を投げてくれる人はその真逆で、だから多分私は、今こんなにも幸せに考えを膨らませられている。


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思い返せばここ最近の自分は、とても刺々しかった。大きなものや私を苦しめる枠組みを否定することでしか自己を規定できなくなっていて、嫌いなものが増えていて、それで私は、自分を守るために誰かや何かを攻撃することから逃れられなくなていたように思う。これは、尊重されていないが故に自分の価値を疑って疑って揺らいでいて、最後に縋ることができたのが大きな枠組みの否定、だったのだろうと今振り返ればわかるけど、でも、そういう形でしか認められない自分は、とても狭いしずっと臨戦体制だし、きっとこれまた大変だったんじゃないかと他人事のように思う。
今は私は、自然とこのままの私で良いと思えている。これは、私自身が否定されることは絶対にないという安心感故だと思う。そういう場所がある、と、ベトナムの会社にいたときに信じて主張しては否定されていた場所が、今私がいる場所。


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そしてここには、色々な人がいる。正しくて絶対の道なんてどこにもないと、色々なルートで今ここに居るのであろう人の話を聞いていると、自然と思える。私の休学も、ベトナムも、裁判も、今ここにいることも、全部普通に自然に私が通るべくして通っただけの道なのだと。そしてこの先も、無限に私の選択肢は在って良くて、私は選びたいように選んで良いのだと。なんだか、とても幼い考えのようだけども、私は今、そう思って安心している。

今まで毒されてきていた考えは、「良い大学、良い会社、良い家庭」というような典型的な“良き人生”のステレオタイプだったのだろう。でもそんなもの、“そんなもの”なんだよ。
私は今、確かにワクワクすることをいくつか持っていて、それば良き大学や良き会社への道を阻害するものであることも確かだけど、そんなものも、“そんなもの”だ。私が素敵だと思っているここで出会った人たちは、一直線の道なんて通ってきていない。そういう方を見ていると、コンサルファームの人たちにはきっと魅力的であったのだろう、画一的な労働者のための効率的努力や成長を、魅力的だと思わなくっても大丈夫だと自信を持って思える。


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今の唯一の心残りは、イギリスという国がどのような歴史を持ったどのような国なのかを十分に勉強できていないこと。悔しい。やはり、感性だけでなく知識と
共に何かを楽しめるような人になりたいと思うし、何より勉強不足が否めない。

街並みの美しさ、朝の走る時の肌を刺すような涼しさ、緑の芝生に映える建物、低い川、至る所にある白と黄色の小さな花、街に必ずある大きくて素敵な本屋さん、など、素敵なところはたくさん見つけた。もっと持って帰られるように、人との話だけでなく、国や自然や建物やその他のことに関してもよく見つめられると良い。

今日は眠たいので(毎日夜には眠くなる生活でこれまた幸せ)寝る。またしっかり書きたいことがたくさん。

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