太陽光淡水化システム

久々に時間ができたので記事の投稿をしようと思います。
今回はMIT(マサチューセッツ工科大学)が熱塩循環を利用した海水淡水化システムを開発した記事を紹介しようと思います。


熱塩循環とは?


熱塩循環(海洋大循環)とは海水の水温と塩分による密度差によって駆動されている循環のことをさしています。海洋の深層循環は、海水の水温と塩分による密度差によって駆動されており、熱塩循環と呼ばれています。 熱塩循環は、現在の気候において、表層の海水が北大西洋のグリーンランド沖と南極大陸の大陸棚周辺で冷却され、重くなって底層まで沈みこんだ後、世界の海洋の底層に広がり、底層を移動する間にゆっくりと上昇して表層に戻るという約1000年スケールの循環をしています。(出典 https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/db/mar_env/knowledge/deep/deep.html)

今回発明された装置はどんなものか?

今回発表された装置は、「熱塩循環」と同じように、水が渦巻状に循環することを可能としているとのことです。 この循環と太陽の熱が組み合わされて水が蒸発し、塩分が残ります。 結果として生じる水蒸気は凝縮され、純粋な飲料水として収集されます。その間、残った塩は沈殿することなく装置の中を循環し続け、装置を詰まらせることはないです。この新システムは、現在テストされている他のすべてのソーラー型海水淡水化装置よりも、高い造水率と高い塩分除去率を持つということです。

何が嬉しいか

システムを稼働させるのにかかる総コストが、アメリカで水道水を製造するのにかかるコストよりも安くなることです。
長寿命で、システムの稼働に電力を必要としない受動的なシステムであることが理由として挙げられています。通常の海水淡水化では電力を消費するため受動的であることは非常に大きい差別化要因として挙げられます。

感想

海水淡水化分野では太陽光などのいわゆる再生可能エネルギー(のもと)をシステムに組み込むことが流れとなっていますが、将来的には風力によるエネルギーや位置エネルギーを組み合わせるということになるのでしょうか?別の研究も楽しみです。



出典
https://engineer.fabcross.jp/archeive/231026_desalination-system.html

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