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他競技アスリートから見た陸上競技の魅力

陸上との出会い

私の陸上との出会いは偶然、お世話になっているジムで陸上選手にお会いして知り合ったことがきっかけでした。

自分がオーストラリアのチームに所属していた2022年に、たまたま近くでその方の試合があるということで、観に行かせていただいたのが、私にとって初めての「生」の陸上でした。

それまでの陸上との関わりと言えば、自分自身がやったことがあるのは高校まで体力テストの一環で行った50m走くらい。観る側としても有名選手の名前を1,2人知っているくらいで、関心がなかったわけではないけれど、特に注目して見ることもありませんでした。

サッカーをやっているので、観るスポーツも自然とバスケットボール、ラグビー、野球など、「球技」や「チームスポーツ」に偏っていました。

初めての陸上試合観戦を観た率直な感想は「なんだこれ、めちゃくちゃ面白い」でした。
今まで観たスポーツとは違う面白さが詰まっていて、アスリートとしてもスポーツファンとしても刺激的な1日だったのを覚えています。

陸上の魅力

そこから、少しずつ陸上競技に注目するようになって、機会があれば大会にも足を運ぶようになった、他競技アスリートが感じる陸上の魅力についてまとめてみました。

1. 身一つでの戦いであること

槍投げ、円盤投げ、棒高跳びなど、道具を要するものも含めて結局、陸上は己の身一つで「速さ」「高さ」「長さ」、まとめてしまえば「強さ」の頂点に向かう競技です。普通の人間では考えられない速さで走っていたり、高さや長さを飛んでいたり、遠さに物を投げたり。肉眼で観ると余計、シンプルにすごい、かっこいい、と感じます。体を動かす「スポーツ」というものの究極の形が陸上なんだと思います。ミーハーに自分ができないことができることがすごいなと思うのと同時に、アスリートとして、基礎的な体の動かし方の最上級版を観ることは勉強にもなります。

2. 他人との戦いである以上に自分との戦いであること

もちろんスポーツであるので、隣の人より良い結果を出して勝つことが醍醐味ですが、陸上競技は「自分自身との戦い」という要素が強いように感じます。どの選手も優勝することを目標にやっているとは思いますが、優勝に届かなくても自己ベストが出たり、いいレース展開ができたり、逆に次の課題が見つかったり。選手一人一人、大会に向けてのモチベーションや得るものが違うのがある意味ドラマチックな気がします。何度か大会に行って同じ選手の名前を見つけると、自然と目で追ってしまい、その日のコンディションやレースの運び方を観るのが楽しみになってきます。1大会での順位争いはもちろんのこと、1人の選手の大会別の記録を比べることもできるので、知れば知るほど面白くなっていく競技です。

3. 1度の観戦で複数の競技が観られること

私がオーストラリアの初観戦で驚いたのは、同時進行で2つ3つの競技が行われていることでした。トラックで短距離選手たちが走っている間に、手前では走り幅跳びが行われていて、奥では棒高跳びが行われているという、他のスポーツ会場ではなかなか目にしない光景だったので、とても興味深く感じたのを覚えています。一つの大会で目当ての種目があっても、せっかくだからと他の種目も観ると新しい面白さを発見することもあります。私自身、初めは知り合いの選手を目当てに観戦に行ったのですが、今では中長距離、走り幅跳び、槍投げにもそれぞれに応援する選手ができて、他の大会でも注目するようになりました。1つの大会に参加する選手の数ではどの競技より多いはずなので、注目が分散してしまうというデメリットもあるかもしれないけれど、ある意味入り口が広いと言う意味でいろんな選手を知ることにも繋がるので、複数の種目が陸上ならではの魅力であると思います。

まだまだ陸上の魅力はたくさんありますが、他競技アスリートとして感じた陸上ならではの特徴を3つだけ挙げてみました。これはスポーツ全てに共通することですが、実際に競技場に足を運んで、選手たちの空気感を生で感じることで、初めて分かる競技の素晴らしさや面白さが確実にあります。入り口はなんでもいいと思います。友達に誘われて、気になる選手がいて、地元の競技場で試合がたまたまあって、、、自分はサッカー選手で、陸上においてはただの1人のファンですが、いつか競技関係者のみならず、単純に陸上競技を観るのが好きなファンで埋まった競技場で応援できたらと思います。

自分なりに、こうしたらもっと競技場に足を運ぶ人が増えるんじゃないかというアイデアを考えるのも楽しいので、機会があれば共有します!

(大阪での日本選手権からの帰りの新幹線で書いてみました。出場した選手たち、スタッフの方々、運営の皆さん、お疲れ様でした!すごく刺激になったので、私もトレーニングがんばらないと!)

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