仏教とはなにか?

仏教の核心とはなにか?他の宗教と何が同じで、何が違うのか?

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ヒンドゥー教の前提でいけば、最も高い宗教的な境地であるところの覚りには、バラモンしか到達できない。世俗の力を握るクシャトリヤでさえも、その境地には到達できない。そのバラモンにだけ限定されていたことを、人間全体へと普遍化したときに、つまりバラモンだけが到達可能だとされていた最高の宗教的境地である覚りが、原理的にはすべての人間が到達しうるとしたとき、仏教になるのではないか。

(中略)ユダヤ教とキリスト教との関係においても、ユダヤ人に限られていた救済の対象が人間に普遍化されたとき、ユダヤ教からキリスト教への転換が生ずるわけですが、この点では、ヒンドゥー教と仏教の関係も似ています。p.58-59

『ゆかいな仏教』橋爪大三郎・大澤真幸著

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ヒンドゥー教の「悟り」は、カースト最上位のバラモンに限定されており、ユダヤ教の「救済」は、神と契約したユダヤ民族(アブラハムの子孫)に限定されている。これらの限定性をとっぱらったのが、世界宗教としての仏教とキリスト教である、という明解な整理。

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