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日本最大の資源

先日の台風2号で、私が住んでいる埼玉県内でも被害が出ました。まさに天災は忘れた頃にやってくる。日頃から備えなければなりませんね。

さて、先月末の富山出張の際に立山連峰を源流とする落差日本一の滝「称名滝(しょうみょうだき)」を見物しました。

その落差は350メートル。水量は毎秒2トン、豊水期はなんと10トンに達するそうです。離れていても水しぶきが半端ないですが、大勢の人が観光に訪れていました。

この位置でも水しぶきが飛んでくる

これは富山だけの話ではありませんが、日本は水資源に活かされていると思います。過剰の場合は災害になりますが、年がら年中、雨や雪が降るからこそ、飲み水はもちろん農業用水、工業用水にも困りません。発電にも活かされます。

富山県をカバーする北陸電力の大きな強みは水力発電です。全国の大手電力会社の発電量に占める水力発電の割合は1割未満ですが、北陸電力は約3割を占めています。

富山県は立山連峰や飛騨の山々から平野に流れ込む急流河川があります。水力発電に適した場所が多いため、火力発電が普及する以前は「電気王国」とさえ呼ばれていました。

日本屈指の急流河川である常願寺川
常願寺川周辺で見られる水力発電の水圧鉄管 

日本は火山性かつ急峻な山脈が多いため、それがいろんな産業に活きています。代表例が漁業です。雨が降ったり、雪が溶けることでミネラルたっぷりの土に水がしみこみます。それが川から海に流れ出すことで、豊富な漁場を作っています。まさに「森は海の恋人」です。(この有名なフレーズを考えた方はセンスいいですね)

富山湾名物「白エビ」

富山に半導体工場が多いこともきれいな水が豊富にあるからです。半導体は製造の過程で様々な化学物質が使われます。それを取り除くために、純度の高い水で洗浄する必要があります。

今回、富山をいろいろ案内してくれたのは北陸電力のOBで、水力発電の技術者だった浅井世明さん(81歳)です。

浅井さんは定年退職後、水力発電の弊害となっていた荒れた里山を自主的に管理するなどボランティア活動に取り組まれ、氷見市での取材を通じて私と知り合いました。

以下は浅井さんの活動を紹介した動画です。ご興味がある方はご覧ください。

いま、人口減少や林業の衰退のため、各地の里山が荒れています。上流が荒れると下流に暮らす人の生活にも影響が出ます。飲み水や電気に支障が出たり、台風の被害も大きくなります。

浅井さんが個人で行っているような「小さな里山再生活動」が広がっていくと非常に良いですね。私も浅井さんを見習いたいと思っています。

浅井氏(右)と 富山県氷見市の里山にて

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