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私達が知らない時代を生きてきた方々から、生きる知恵を貰える仕事。14年介護を続けているSさんの思いとは?

まっきーのさまざまな現場で働く介護職インタビュー、2回目は、一般の大学を入ったが中退し、有料老人ホームの介護現場で14年働いているSさんにお話を伺いました。※今回はイニシャルになります。

以前KAIGO MY PROJECTのOBOG会で初めてお会いしたSさん。介護現場の大変なところを知り、それでも自分から楽しめるように関わりたいという思いがとても素敵だなと感じました。同じ現場で14年続けて来た、Sさんの介護に対するリアルな思いを聞いてみたいと思い、今回はインタビューさせていただきました。

あんた優しいから介護の仕事向いてるんじゃない?

大学まで行ったけれど、正直あまり楽しさを感じなくて、就職活動の時期に適性検査とかもやってはみたもののどうしたらいいんだろうと思っていました。そこでたまたま母親から「あんた優しいから介護の仕事向いてるんじゃない」と言われました。それから、有料老人ホームのオープニングスタッフ募集というチラシを新聞で見て、面接に行くと、そのまま面接官と意気投合して一発で合格し、気づけば同じ施設で14年になりました。

元々人の話を聞くのは好きで、家でもおばあちゃんの話を聞いていたので確かに自分に合っているのかなというのは感じましたね。

働いている施設は、有料老人ホームですが、病院が母体となっていて、そこにデイサービスやリハビリ施設が入っている形です。病院と連携しているので、何かあった際すぐに受診ができるのは大きいですね。

まっきー:色々な偶然が重なって今もずっと介護の仕事をされていると言うことにとても驚きました。お母様からの勧めであれば現場に合わなければ正直すぐにやめてしまうこともありそうですが、そこを続けてきた秘訣も気になるところですね。

認知症の方へ素直に理由を聞いてみる


私は高齢者の方に対してコミュニケーションが難しいと感じたことは無かったです。逆に年取るとああいう風になるのかって思いながら接してました。はじめは、「さっき言ったこと忘れちゃったんだ。そういう方なのかな」とか思いながら、次第にどうして忘れるのかな、聞いたらどんな反応するのかと素直に聞いてみました。

ご利用者様からは「いや、私今日帰るんです。本当に嘘ついてないから」とか言われながら、私は、利用者様とたくさん話しました。

ただ、周りを見ると「さっきも言ったじゃない」って言う方や、転倒する方に対して「もう座ってて」と言葉がでたり、イライラするスタッフもいるので、そこはやっぱり高齢者との対話って大変だよなと思います。

まっきー:新卒採用をしていると結構学生から高齢者の方とのコミュニケーションを心配されることが多かったので、改めて素直に聞いてみるということはとても大事だなと感じました。時には忙しくなるとイライラすることもあるとは思いますが、そこですぐに言葉にしてしまうのではなく、ワンクッション自分自身の中で考えたり、本人に聞けるのは良いですね。

14年働く中で大変だと感じた、人間関係と夜勤


利用者さんより、会社の人たちとの付き合い方が私は難しいなと思いました。私の施設ではまだスピード重視なところを感じていて、施設で働いていると流れが決まっているので仕事が早い人ほど評価されている気がします。私の場合は「どう言えば良いんだろう」とか、「どうしたら上手くできるのか」と、人のことを考えて仕事を早く終わらせていないことが多い、会社から期待されているところが出来ていないので会社の人達との付き合いの難しさを感じました。

また、施設としては利用者さんが3~8フロアで各フロア15~20名、夜勤者は2フロアをスタッフ1人で見ています。病院と連携しているので経管栄養の方やお看取りの方も含め介護度としては3~4くらいです。

夜勤は体力的な問題もですが、どちらかというと1人で30人見ないといけないという精神的な負担も大きいかもしれないですね。

ただ、病院と連携してるから、夜間何かあった際にたらい回しにはならずにすぐ受診できるのは大きいところです。

まっきー:今でもなんとなくスピード重視が求められているのはありますよね。夜勤は体力的にも精神的にも大変な部分があるかと思いますが、その中で病院と連携されているのはとても強みなのだと感じました。私のいた施設では夜間搬送先が見つからずにたらい回しになっていたこともあったので、何かあった際は連携できる環境がうらやましくなりました。

さまざまな人と接することで磨かれる人間性

社会人として色んな年代の人との付き合いやその人のことを考えて行動する力など、ちゃんと身につけないといけないなという思いがあります。なので、少し厳しい環境かもしれないけど、それはどこでも一緒かなと思うので、この介護の仕事を通じて成長し、働こうと思っています。

プラス介護って本当に戦中戦後の大変な中を生きてきた人たちと触れ合う、貴重な機会だなと思っています。実際戦争へ行ってきて、「自伝を書いてきたんだ。お前も読むか。」みたいな感じで自伝を頂いたりとか、入った時から頭がとてもクリアな方 で、社会人になってしばらくしてから、大学入って勉強したっていう人もいたりとか話を聞いたら本当に面白いなって感じますね。

他にもおばあちゃんが私の目を見るなり、手を振ってくれたりとかそういうことが楽しいなって思ったりもしました。
生きた知恵をもらえるというとこは、本当に介護の魅力だよなと思います。そして、ようやく1人前になれたところから、もうちょっとやろうと思いながら気づけば早14年ですね。

まっきー:介護職として働いていると、高齢者の方や職員の方など本当に幅広い年代や性格の方と関わることになるので、人として磨かれる部分は大きいですね。高齢者の方の生きてきた背景は全然違うものがあるので、色々なお話を聞けることは現場で働いている時自分にとっても学びがありました。

今後は自分から楽しめるように関わっていきたい

施設にいる利用者様は色々と頑張ってきたからこそ、ガタが来て病気になったりすることがあるなと感じています。そういう方に対して、出来る限り貢献したいなと思っています。一方通行で介護するのではなく、出来る限り助け助けられという双方でやりたいですね。

自分もなかなか利用者様、上司から求められることができてないかもしれませんが、出来る限りやっていきたい。楽しく仕事ができたらと思っています。見ていると、会社へ稼ぐためだけにきている人や、無気力で仕事をしている人、何に対しても無関心な人もいますが、そこに対して自分からちょっとでも楽しくできるようにイベントなども一生懸命頑張ろうとは思ってます。


そして、私は、後々はケアマネを取る予定です。それによって、少し周囲からの見方が変わると思います。ケアマネが取れれば、「あの人が言うんだったら」って現場もより良くなっていくのかなと思っています。これからも頑張っていきます。

sさんに今回インタビューをさせていただき、同じ職場で大変なことも感じつつそこを乗り越えようと頑張る姿や、入居者から力をもらいながらまだまだ吸収したいという思いから私もパワーをいただきました。

初めは介護に対してプラスもマイナスもなかったsさんだからこその言葉や、夜勤や人間関係に対する大変さなど率直な意見はストンと落ちるものがありました。
ぜひケアマネを取得してより現場を良くしていっていただけたらなと応援しております。
ありがとうございました♪

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