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映像制作の講師を務めてわかった、かっこいい映像を撮るために必要なたった3つの方法

こんにちは、映像制作とドラマーのフリーランスとして活動している万紀雄です!
僕は今年から、映像制作スクールChapterTwoにて映像制作の講師をさせていただいております。

生徒さんの多くは初めて映像を作る方が多い中で、授業の内容ををもとにご自身で映像を実際に作っていただいています。

みなさん工夫しながら素敵な映像を作っていただいているのですが、
「ここを直せばもっと映像は良くなるのに!」
という箇所は実は結構似通っていたりします。

今日はそんな、僕が講師をする中で気づいた、初心者が最低限意識すべきたった3つのポイントをまとめました。

かなり基本的な内容ですが、これらを押さえていただくだけで一気にクオリティが上がった映像が作れるようになるので、ぜひ意識してみてください!

1,水平を保つ

カメラを水平に保つことは、写真や動画を安っぽく見せないための最重要項目です。

ただ、手持ちで撮影した場合、撮影時は注意していたつもりでも、データを見てみると実は水平が取れていなかった、ということは往々にしてあり得ます。

水平が取れている画像の例
水平が取れていないと、一気に見づらくなりますよね

特に動画の場合、カメラ移動に意識が行きすぎて、水平が取れていないということはよくあります。

最初のうちはあまり無理にカメラを動かそうとせず、フィックス(同じ位置で固定)して水平を保ちながら、ゆっくり左右(パン)上下(チルト)に動かすことを意識してみましょう!

もし水平が取れていないことに後から気づいた場合は、編集ソフトの「回転」を使用して、水平になるように調整してみましょう。

ただし、回転させる場合は四隅がはみ出てしまうので、拡大して調整しましょう。

拡大しすぎると荒くなるので注意するか、より安全に編集したい場合いは4Kでの撮影をしておくと、200%まで拡大できるので安心です。

ただし、動画の容量が大きくなり、編集負荷も上がるので、最初のうちはフルHDで撮影し、とにかく狙った構図を外さないように練習するのが大事だと思います。

2,画角のバリエーションを意識する

初めてカメラを手に取った方にありがちなのは、
「どのカットも同じような画角ばかりになっている」
というものです。

例えば、どのショットも人物のおへそから頭のてっぺんくらいのショット(ミディアムショット)ばかりになっている、というような感じです。

人物の顔や手が画面いっぱいに映るショット(クローズアップ)や、足先から頭まで全て移るようなショット(ワイドショット)など、画角にバリエーションをつけてあげるだけで、映像は一気にダイナミックになります。

上の動画はキャンプ場のPR動画です。人物の顔や手元のアップ、体全体が映るカット、はたまた人物が遠くほとんど景色のようなカットなど、画角のバリエーションをたくさん入れていることが見て取れると思います。

また、被写体の目線に合わせた位置での撮影や、ローアングル(カメラを低い位置に構えて見上げるような画角)やハイアングル(カメラを高くあげて見下ろすような画角)など、カメラの高さのバリエーションも意識してみると、よりダイナミックに動きのある映像に仕上がります。

それぞれの画角には特徴があるので、その特徴を押さえておくとより効果的にショットを使うことができるようになります。

・ワイドショットの特徴

人物全体の他に景色や周りの様子がたくさん映り込むので、被写体が今どういう状況にいるのか、どこにいるのか、周りの人間とはどういう関係なのか、など、被写体の周囲の情報をたくさん含めることができます。

一方で、いろんな情報が入ってくるので、余分な要素が多く写り込み、雑多な、何を伝えたいか分かりづらいショットになりがちなので注意です。

テントを立てている/何人かで協力している/屋外の広いところにいるなど環境の情報がたくさん。
一方で「主役は何か?」という定義づけは難しくなる

・クローズアップショットの特徴

メインの被写体を疑う余地もないほどはっきりと定義することができます。
「これが重要です!」「この映像ではこれをみてね!」といった主役を定義できます。

また、人物であれば表情がはっきりと読み取れるので、心情描写にも最適。
ただし、そればっかりだと窮屈になるので、ワイドショットと切り替えながら使用することをお勧めします。

この女性が主役なのは明らかで、表情から悩んでいる様子がよくわかる。
一方で、場所や服装、周りの環境など周囲の情報は読み取りづらい。

・ローアングル(見上げる)ショットの特徴

クローズアップで撮影する場合は被写体の強さや威厳、勇気のようなポジティブな印象を与えやすいです。

また、ワイドショットで撮影する場合は、遠近法により顔が小さくうつるので、スタイルが良く見えます。

上の空間がよく映るので、外の場合は空がたくさんうつるショットになります。

少し見上げるように撮っているので、希望/強さを感じるショットになっている
腰下くらいの位置からワイドショットで見上げるように撮影しているので、スタイルが良く、自信があるように見えるショットになっている。

・ハイアングル(見下ろす)ショットの特徴

心理的な弱さ、不安といったネガティブな印象を与えやすいです。
また、地面を多く写すことができるので、床や地面の配置物をはっきりと写す時などは効果的です。

少し見下ろした女性のショット。少し不安を感じるようなショットになっている。
少し見下ろし気味に撮影しているので倉庫の床の広さ、パレットの多さを伝えやすい。
これが男性作業員と同じ目線だと、他の荷物はほとんど見えなくなってしまう。

僕の場合は、ワイドショットで場所や被写体の置かれる状況を映しつつ、クローズアップショットで被写体の顔や動作を写して、「被写体のどういう動きが重要か」を見せるようにカットを切り替えて編集しています。

色々書きましたが、まずは「同じようなショットばかり撮っていないか?」ということを意識してみてください!

3,カットの切り替えをBGMに合わせる

多くの動画は、BGMがある場合がほとんどです。
その場合、カットの切り替わるタイミングはBGMのタイミングに合わせると、リズム感良く飽きづらい映像になります。

ちょっと頑張って音楽の授業を思い出しましょう!
楽曲には「拍子」というものがありました。
世の中の多くの音楽は「4/4拍子」といって、1小節が4拍で構成される楽曲がほとんどです。

カットの切り替えのタイミングを、この「小節の切り替わり」「拍の切り替わり」に合わせてあげることで、音と映像が整合性の取れた内容になり、とってもみやすいものになります。

この動画は全体的にリズミカルに作っているのですが、特にわかりやすいのは00'38から00'52までのシーシャを準備している店員さんのシーン。
曲の拍子(この場合は4分音符)にピッタリ合わせて切り替えて行っているのがわかると思います。
このように拍子にきっちり合わせることでテンポ良くシーシャを作る工程を見せることができます。

ただ、全部のカットの長さを同じにすればいい、というわけではなく、秒数の長いカット、短いカットがあるのは全然問題ないです。むしろずっと均等な秒数のカットだとみている側も飽きてしまいます。
ただ、長さの違うカットを切り替えるタイミングも「BGMの拍子のタイミング」を意識するのが定石だと思います!

いかがだったでしょうか。
今日は本当に基本的な内容でしたが、まずはこの3つを意識するだけで映像は劇的によくなると思います。

ぜひ参考にしていただき、かっこいい映像を作るお役に立てれば幸いです!

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