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若年性アルツハイマーの友達と会って。元気を貰ったのも、励まされたのも、僕の方でした。ありがとう。

昨年の春に、自転車仲間から、若年性認知症になったとLINEがあり。
仲間のグループLINEに、もう自転車に乗ることなできない、みんなのこともいつまで覚えていられるのか、わからなくなってしまうのかもしれない、と。

糖尿病や癌、心臓病などになった友達や仕事仲間はこれまでにもいましたが、若年性認知症は僕のまわりでははじめてで、どう応じたら良いのか、正直なところ戸惑いました。
元気を出して、自転車乗れなくても遊ぼう、もし僕のことをわからなくなっても僕はわかるのだから大丈夫、、、他の仲間たちとともに、そんな返答をしたと思います。

知り合ってまだ4年くらい。会った回数も5回くらいかな。
でも、年月や回数ではないんだよね、友達って。

富士スピードウェイのレースに出走するのに一人これなくて代わりにどう?って別の仲間が誘ってくれて。
レースに出るのだからと、都民の森に練習ライドしたのが最初の出会いだったな。

レース前日に富士の裾野を山を走ってから、オリンピックのロードレースのコースの難所になった明神峠も走って。
明神はほんとにキツくて、当時の僕にはなおさらで、途中で断念して下ろうかなと思っていたら、頂上まで登り切ってから迎えにきてくれたっけ。
もうちょいだから、あと少しだよ、、、と、ロードバイク峠上りあるあるで、嘘で励まされつつ登り切ったんだよね。

レースでは彼はほんとに速くて、プロ選手が先頭走る第二集団に入って楽しそうにピット前通過しながらこっち向いてニコニコして走っていたのが面白くてね。
交代して僕は、チームの足を引っ張っちゃいけないと、富士スピードウェイのバンクの登りを懸命に漕いだのでした。

清里のお仲間たちとの合宿にも呼んでくれて。
中国に駐在していたときの自転車仲間のグループで。みんなまた良い人たちでね。
これまた、山、峠を走る2日間だったけれど、楽しくてね。

そんな日が,そんなことがまだまだ続くと、これからもときどき一緒に走れると、そう思っていたんだけどね。
だから、突然の連絡に、それも若年性アルツハイマーという病気に、僕もショックで。僕より一つ年上でしかないしね。

どうしているかなって思うことはあっても、こちらからなかなか連絡することができずに。
そうしたら、去年の秋に、彼からLINEグループに新聞記事の写真が送られてきて。

講演活動をしています、若年性アルツハイマーのことについて、と。
仕事も少ししています、前向きに生きています、と。

なかなかタイミングなくて、しばらく会えなかったけれど。
昨日、仲間のひとりが西から出張できてるってことで集まれて、会えました。

待ち合わせの駅前で会った彼は、以前よりさらに明るく楽しげな表情で。
楽しくやってるよ。車も自転車ももう乗れないんだけど。講演してるし。病気になっていろんな出会いも会って、と。

彼を含めて、良き仲間たちと、素敵な楽しい一夜でした。
年に3、4回は集まろうよ、温泉に行こうよって別れました。

元気なのかな、励まさないとな、、、そんな気持ちで出かけて行ったのに、元気を貰ったのも、励まされたのも、僕の方でした。
ありがとう。

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