靴の脱ぎ方とお箸の置き方とを同列に語ることはできるか?
僕の仕事場では靴を脱いで上がる。(関連記事:昼休み外から戻ってきたら、皆ガチで寝ておった。https://note.com/makinhanoi/n/n570a08436824)
通勤時に履いてきた靴は下駄箱にしまい、お手洗いに行ったりちょっと外に出る時用に各々がサンダルを入口におくようにしている。日本の温泉旅館で玄関に下駄や草履が並べられているような感じ。
実際は、並べられているというか、ナチュラルな状態で脱いである(写真:左)。なお、建物内の他の会社も同様の状態だ。
もともと僕は人様に対して、靴を脱いだら揃えよう!などと言えるような行儀のよい人間ではない。むしろ、場合によっては正される側の人間である。ところがハノイに来て、この自由奔放なナチュラルな脱ぎ方を見かけると、何かもやもやした感じがしていたのだ。
「お前がそこのトップの人間だったら、揃えておくように言えば済む話じゃないか?」という声も聞こえてきそうだ。
それで見た目の問題はすっきりとするかもしれないが、僕は言うつもりはない。なんだか学校の先生のようなことを言うのが面倒だということもあるが、それよりも、これは生活習慣に関わる案外ナイーブなことではないかと思うからだ。日本では普通は揃えるから、だからそれが良いとか正しいとか言えるものではない。お箸の置き方は日本では横向きに置く、国や地域によっては縦向きに置く。それは生活習慣による違いだ。日系企業の職員だからといってお箸は横向きに置くようにというのはおこがましい。靴の脱ぎ方もまた、生活習慣に根付いたものであり、一つの様式とも言えなくない。もっといえば何が美かという話だ。工場の整理整頓の必要性とは次元が違う話だ。
ただ、個人的なもやもやは晴れない。そこで試してみた。無言の提案である。
まず、僕自ら日本の多くで見かける踵側を内に向けて揃えてみた(写真:中)。これを見た人は奇異な光景に映ったことだろう。sếp(上司)の仕業かと思ったかもしれない。そして何時間かのち、揃えた状態は崩れて完全にナチュラルな状態に戻っていた。見えざる攻防に敗れた! ただ、実のところこれは大いに理解できる。脱ぐ時に180度向きを変えるという動作はこちらの習慣にはないだろうし、やりにくいものだ。利点も思いつかない(少なくともこの入口では)。僕自身も面倒だし、これはナシだ。
数日後、今度はつま先を内に向けて揃えてみた(写真:右)。何時間か経過して人の出入りがあっても、この形態はほとんど崩れていなかった。脱ぐ時も履く時も無理ない形態であり、戻ってきた時も無意識にムリなく揃えて脱げるのかも知れない。
この「つま先内向け揃え」が丁度いいだろう。合理的に脱ぎ履きできるうえ、僕の視覚的なもやもやも解消される。いや誰が見ても気持ちがいいものだと思うがどうだろう? 強要するつもりはない。皆がこのように揃えた方が見た目もよくて何となくいいんじゃないと共感されれば定着するだろう。要経過観察。
話は変わるが、駐車場へのクルマの停め方もお国柄が現れる。日本では後進駐車が好まれる。確かに、スペースが狭くて後進で入れないと難しい駐車場の状況が多いが、前進駐車でも問題ない所でもわざわざ後進駐車しているクルマも多い。無条件、無意識に後進駐車している人もいるかもしれない。その方が行儀がいい、そんな風潮もあるかも知れない。靴の揃え方(踵を内向き)の習慣と通じるところがあったりして? 分からないけど…
ちなみに、駐車場でクルマを停める時、僕の場合は頭から突っ込んでも出しやすい枠(例えば角のどん突き等、僕的には"特等席")が空いていればそこを狙って突っ込んで停めるようにしている。出し入れトータルで楽だから。
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