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【セルフライナーノーツ】#12. 最後の嘘【Ancient Collections】

二日にいっぺん更新してたあの頃。。申し訳ない、完全に飽きられるまでに全力でラストまで書き続けます作者の小田です!


自分がユーザーだからか、Spotifyを貼るのは非常に安心感がある。ここにもそろそろ新作をドロップしたいですねえ。

あ、通販限定ではありますが4/3にハンドメイドCD「Half Swing Vol.2」をリリースしました。ライブ会場手売りもしたいなあ、と思いつつ、まだ現実的には通販限定という形になりますので、是非ゲットしてみてください。

販売ページ:https://makine.base.shop/items/42344298


・楽曲概要。

・2nd Mini Album「Double Blind」(2007.02)より
・作詞:小田貴音 作曲:小田貴音

最後の嘘/万貴音


・楽曲解説。

ほんのり和のテイストが入り混じる壮大な卒業バラード。エレキギターも結構効果的に仕事をしてるんですが、全編を通して雰囲気はアコースティック寄りです。2007年ひろしまフラワーフェスティバル「歌のコンテスト・ポピュラーソング部門」でグランプリを受賞した時に歌った曲でもあります。

非常にリアルタイムな話ではありますが、作曲時は小田、中原ともにそれぞれの学校を卒業するタイミングでして。卒業ソングってそうそう作れるもんじゃないぞ、と思って作ったらこのボリュームになったというエピソード…というよりは、そのタイミングをきっかけに、色んな過去の思い出が掘り起こされて作られた世界観。

大学の卒業の日ってあんまり記憶に残ってないんですよね。なんか色々飲み倒したような気もするんだけど、記憶としてこびりつくのは中学・高校時代のような。そんな中、作者の小田は高校の卒業式に出席できませんでした。東京に大学受験に行ってて、帰れなかったんです。その卒業式のタイミングで受験に落ちて、翌日帰ってきたのは今も消えない思い出。苦笑 

なので、実体験のストーリーとしては重ねずに書いたんですが、中学時代の卒業式に好きな子に告白することなく終了した記憶は、何らかのエッセンスになってるのかもしれません。実録ものを作品化するのは自分には恥ずかしすぎて無理な気がします。笑

この曲の謎を解説するとしたら2つで、「嘘」と「165センチ」なのかなと。

一つ目の謎「嘘」については、まあ分かりやすいんじゃないかと思いますが、「自分の気持ちへの嘘」と、「好きな人へ最後に伝える言葉はそれでいいの?」の2点。ただ、「”ありがとう”と”さようなら”をちゃんと伝えたい」のは紛れもない本心で、結末としてはどっちも「嘘」なんです。人の心は難しくて、自分の心はいつだってヘタレ。ONE PIECEのルフィみたいに「うるせェ!!!いこう!!!!!」って、言えたらいいのにね。

二つ目の謎「165センチ」。これは小田調べの独断と偏見の入り混じる調査なんですが、「男子だとちょっと低め、女子だとちょっと高め」と感じる身長を現しています。微妙なコンプレックス、への暗喩。男として、女として何だか微妙に引目に感じてしまう表現の中間地点として「165センチ」を選びました。当時の2倍の時間を生きているおじさんとしては、そんなのどうでもいい数字なんだけど、当時はこういいうことが一々気になって仕方なかったんですよね。いいか、身長が高かろうと低かろうと、モテる奴はモテるしモテない奴はモテない!魅力と原因は(多分)そこじゃない!

思春期に還って作った、「Double Blind」です。


・楽曲の特徴。

ピアノとストリングスが切なさを演出するポップバラード曲。ドラム、ベース、アコギ、エレキギターの基本的な組み合わせにストリングスとハーモニカが加わる、アコースティック増強編成。

西洋楽器のみで編成されてる楽曲なんですが、何となく感じる「和」のテイストはどこから来てるかというと「4度のハーモニー」です。例えばイントロのピアノのリフ。あるいはサビのボーカルのハーモニー。西洋音楽のハーモニーは基本的に3度(+5度)で和音を作るのに対して、「明るい/暗い」のニュートラルな4度で展開すると、こういうオリエンタルな雰囲気になります。これも力加減が必要だと感じていて、あまり徹底してやると中国・韓国の伝統音楽みたいな響きになる。そういう意味では「大陸系」としてカテゴライズするといいのかもしれないけど、「和」の香り付けはここがキモだったりします。

もう一つ紹介するのは「転調」について。6分以上ある曲を退屈させずに聴いてもらうには効果的な変化ではあるんですが、この曲で転調してるのは「3:44-3:51」だけです。わずか7秒!笑
サビメロは元からしっかり張ってるキーで、じゃあそこを変えずにどこで展開と盛り上がりを作れるか、を考えた時に、こんな設計図になりました。はっきり「転調!」と分かるものもあれば、この曲のようにぬるっと変わって戻るものもある。全てはストーリーの起伏に準じて作られるべきものです。

言葉と音は、リンクしてるんです。これはコピペミュージックには出来ない技だと思っている。


個人的にはあっさり目に書いたライナーノーツですが、これだけでも作者は身悶えしています。笑 みんな、前向いて行こうぜ。。

次回は#13「アンケート」です。今も昔も隔たりなく人気なダンスチューン。駅ビルのカフェで書いた曲って知ってた?笑 どうぞお楽しみに。


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・シングル「優しい言葉」
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・アルバム「ノーマライズ」
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・アルバム「Ancient Collections」
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