【セルフライナーノーツ】10. 3秒ルール【Ancient Collections】

今月の制作スケジュールがかなり詰まってきてることに気づきまして、改めてきちんと現状の進行状況と締め切りを確認しておく。毎日確認しとけよそんなの、と自分でも思いつつ、ずっと個人でやってるとそういう所が甘くなるのかなあ。とかく、きちんと全部こなせるように頑張ります。

このライナーノーツも「一旦お休みします」なんてことはするつもりはないので、ヒット&アウェイ方式で少しずつ書き進めていきたい。こんなのでも、大体1記事に2〜3時間は平気でかかっちゃうんで。思いが伝わる記事にしたいと思うし、せっかく書いたのなら多くの人に触れてもらいたいしね。スキやサポートしてくれる方ももちろんですが、オススメしてくださる人も本当に感謝です。自力で広げていくにも限界があるので、助かっています。

万貴音「Ancient Collections 」 | 音楽ダウンロードはドワンゴジェイピー

ドワンゴジェイピーでもお楽しみいただけます。ドワンゴはniconico（ニコニコ動画）などのサービス元の会社ですね。ニコ生に憧れた時代もありました。

・楽曲概要。

・2nd Mini Album「Double Blind」（2007.02）より
・作詞／小田貴音　作曲／小田貴音

・楽曲解説。

怪しい雰囲気と、楽曲ジャンルがハッキリ前後半で入れ替わるジャジー＆ブルージーな楽曲。

前提として、この曲は「フィクション」を元に書いたものです。これは言っておかないとね。だってもう明確にインモラルというか、はっきり言葉の並びがエロスじゃん？笑

そういう印象を持たせる意図で言葉を選んだんですけど、これは別に浮○、○倫のストーリーではないんです。そういったことも範疇にはあると思うけど、世の中には「悪いと分かっているけど、なかなかやめられない、制御できない」ことがたくさんある。一番身近なものとしては「アルコール」か。次の日絶対二日酔いになるのを分かってるのに、どうしても毎晩飲み過ぎちゃうとか、そういう経験のある方も現在進行の方もいらっしゃるのではないかと。俺？そうだよ俺もだよ。笑

他にも煙草とかギャンブルとか、たとえ合法でもどっぷりいくと良くないものはたくさんありますよね。世界も人間も、綺麗なものだけでは構成されていないんだ、と思っています。クリーンに生きたくても、なかなかね。ワルに憧れる人もいれば、ダークヒーローが人気になったりもして、「善」じゃなくとも魅力は確かに存在している。

「自分の弱さを受け止めて、受け入れて前を向く！」というストーリーではなくて、自分のダメなところに抗いつつ、ただ翻弄されているものです。さらにダメ押しでタイトル。「床に落とした食べ物は3秒以内なら食べても大丈夫」という迷信が「3秒ルール」なんだけど、「3秒ルールとか　そんなのはないんですか」と言って終わる。「よろしくないことがどうしても止められないんだけど、今だったら全部なかったことにできますかね？」っていう投げっぱなし主人公。

もはやこやつ、ゲスの極み！もう、万貴音の楽曲では完全に異端児なんですよね。笑

万貴音の楽曲は比較的明るい前向きな世界観のものが多いんですが、それは出来るだけ前向きな言葉を自分の中に入れてみんなに伝えたいからであって、決して「綺麗事を言いたい、綺麗な言葉だけ伝えたい」ものではありません。そんなの何も響かないから。と同時に、やたらセンセーショナルな内容で興味を引こうとも思わない。例えば一時は大量に人が死んでしまうような曲が流行ってたし、確かに衝撃的なニュースや音楽、作品には興味を引かれるんだけど、それを自分がやりたいかというと、ね。。

曲は我が子だと思ってるので、ちゃんと自分で責任持てる内容であれ、と思っています。ここは人それぞれだと思うんで、色んな人と作品があっていいと思いますけど、俺はそう。

結構問題児なこの曲ですが、フィクションなれど自分の中にある感情から生まれたものです。かっこいいし、美しさもあると思っている。独立した美、なのかもしれないし、やはり連動したものかもしれない。

・楽曲の特徴。

前半がジャジーな雰囲気の4ビートスウィング、後半がブルージーでハードなロック、という明確な二面性を持っています。ドラム、ベース、ピアノ、エレキギター数種、ミュートトランペットといったアダルトな楽器チョイス。アコースティックギターがない代わりに、フラットワウンド弦を張ったフルアコギター（エレキ）を弾いてます。

前半のジャズパートでは怪しげだけど流麗で美しいメロディ。Aメロを小田、Bメロを中原が担当してるんですが、小田ボーカルも声域を含め、ちょっと女性的な印象。ただここも中原担当にすると、それはそれでマッチしきらない気もしています。高めの音域は女性に、低めの音域は男性に、というセオリーは必ずしも正解ではない。

一方、後半のロックパートのメロディはやや力技というか、言葉の畳み掛けと詰め込みで感情の激流を表現したくて作ったものです。光と闇、善と悪、みたいなコントラストは音楽も同様で、音の強い弱い、高い低い、リズムの縦と横、そういうギャップを強く浮き彫りにしてみたのがこの構成。

間奏でギターソロも炸裂してるんですが、音の特徴としてはやはりトランペットの存在でしょうか。万貴音曲では「ブラスパート」として、数本重ねて楽曲のスパイスとしての役割を担わせることが多いんですが、この曲では前後半ともに「自由枠」として、ボーカルのメロディに対してのオブリガート（対旋律）を担当しています。バンド編成にトランペットやサックスが1本だけ入ると、こういう役割を担当することが多かったりします。歌に絡みつくもう一つのメロディ。この頃はトランペット、まだガンガン吹いてたんだよなあ…見習いたい。

100曲前後ある（てゆーか今何曲あるんだろう。。笑）万貴音のオリジナルソングの中でも、トップクラスのやさぐれ曲、「3秒ルール」でした。Ancient Collectionsの中ではあんまり分からないかもしれないけど、アルバム「Double Blind」は2曲目が「2秒後」、3曲目が「3秒ルール」。分かりやすい配置ですね。笑

次回は#11「妄想フルスイング」です。思春期妄想爆発系、そしてJB追悼の要素も加えたトンデモ曲。どうぞお楽しみに。

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・アルバム「ノーマライズ」
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・アルバム「Ancient Collections」
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